(Q1)定員超過は、指定基準において「災害」や「虐待」などの事情として認められるのでしょうか?(Q2)「やむを得ない事情」については、どのような基準で判断すればよいのでしょうか?また、各都道府県等で個別の事情ごとに判断しても差し支えないのでしょうか?

(A1)はい。指定基準上、定員超過が例外的に認められる事情として、「災害」や「虐待」などは含まれます。

考え方としては、児童発達支援や放課後等デイサービスでは、原則として利用定員を超えて障害児を受け入れてはいけません。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合には、例外的に定員を超えて受け入れることが認められます。

たとえば、災害によって他の事業所が利用できなくなり、緊急に児童を受け入れる必要がある場合や、虐待などにより児童の安全確保のため緊急に支援先を確保する必要がある場合などです。こうしたケースは、事業所都合による定員超過とは性質が異なり、児童の安全や福祉を守るために必要な受入れとして扱われます。

一方で、「定員超過が認められる」ことと「定員超過利用減算にならない」ことは別問題です。やむを得ない事情があっても、報酬上の定員超過基準を超えれば減算の対象になる場合があります。また、実際の利用人数に応じた人員配置や安全確保ができているかも重要です。

つまり、整理すると、

原則:定員超過は不可
例外:災害・虐待・その他やむを得ない事情があれば認められることがある
ただし:報酬上の減算基準や人員・設備基準は別途確認が必要

ということです。

特に実務では、定員超過した理由について、**「なぜ受け入れる必要があったのか」「いつからいつまでの一時的対応か」「他の受入先がなかったのか」**などを記録しておくことが重要です。単に「利用希望が多かった」「キャンセルを見込んで多めに予約を取った」といった事情は、通常は「災害・虐待その他のやむを得ない事情」には当たりません。

(A2)はい。こども家庭庁のQ&Aでは、「やむを得ない事情」について全国一律の細かなチェックリストで機械的に判断するのではなく、一定の考え方を示したうえで、都道府県等が個別事情を見て判断して差し支えないとされています。

具体的には、次のような場合が「やむを得ない事情」の例として挙げられています。

  • 障害特性や病状等のため欠席が多く、定期的な利用を見込むことが難しい児童に、継続して支援する必要がある場合
  • 家庭の状況や地域資源の不足などから、その事業所で受け入れなければ、その児童の福祉を損なうおそれがある場合

たとえば、障害特性や体調の変動で欠席が非常に多く、毎回定員どおりに利用人数を固定することが難しい児童について、支援を途切れさせないため一時的に定員を超えて受け入れるようなケースです。この場合、利用人数が恒常的に定員を超えていなければ、直ちに定員超過を解消しなければならないとはされていません。

また、家庭状況や地域の受入先不足などから、その事業所が受け入れないと児童の福祉が損なわれるケースでは、既存利用者が利用終了したタイミングなどで人数を調整して、徐々に定員内へ戻す方法でもよいとされています。

実務上は、単に「利用希望が多かった」というだけでなく、なぜその児童を受け入れる必要があったのか、他に受入先があったか、受け入れないことで児童にどのような不利益が生じるか、定員超過が一時的か恒常的かといった事情を総合的に見ることになります。

そして、ご質問の後半については、各都道府県等が個別の事情ごとに判断して差し支えありません。 こども家庭庁Q&Aでも明確にそのように示されています。

したがって、事業所側で「これはやむを得ない事情だ」と自己判断するだけではなく、判断が微妙なケースでは、指定権者である都道府県・指定都市・中核市等へ事前に相談し、判断根拠を記録しておくのが安全です。

簡単にまとめると、

「児童の障害特性・病状、家庭状況、地域資源の不足などから、その事業所で受け入れないと支援継続や児童の福祉に支障が出るか」

が大きな判断ポイントです。

そして、最終的には各都道府県等が、その児童・家庭・地域の具体的事情を踏まえて個別判断してよい、という取扱いです。

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