(Q3)Aさんは兄Bさんの氏名・住所を把握していますが、その場合でも保護申請書の親兄弟その他の親族に関する記載を省略して問題はないのでしょうか。

(A3)Aさんが兄Bさんの氏名・住所を把握しているのであれば、基本的には、申請書の親族欄を意図的に空欄にするのではなく、分かる範囲で記載するのが適切です。

生活保護法24条では、申請時に、要保護者の資産・収入の状況だけでなく、**「扶養義務者の扶養の状況」**など、保護の要否を判断するために必要な事項を申告することが求められています。

したがって、AさんがBさんの存在も氏名・住所も知っているのに、「連絡されたくない」という理由だけで、兄がいないかのように記載を省略することはおすすめできません。 後で福祉事務所の調査で判明すれば、事情の説明が必要になる可能性があります。

ただし、ここで重要なのは、

「親族欄にBさんを記載すること」と「Bさんへ実際に扶養照会をすること」は別問題

という点です。

Aさんは、Bさんの氏名・住所を記載したうえで、例えば、

「兄Bはいますが、兄自身も経済的に余裕がなく、援助は期待できません」

「これまで経済的援助を受けたことはありません」

など、援助の見込みがない事情を併せて説明することができます。

福祉事務所は、その事情を踏まえて扶養照会をする必要があるかを判断します。生活保護を申請するために、あらかじめ同居していない親族へ相談しておく必要はありません。厚生労働省も、親族への相談が生活保護申請の条件ではないと明示しています。

また、Aさんが申請書を作成できない特別な事情がある場合には、生活保護法24条自体が書面申請の例外を認めています。さらに、必要な資料がすべてそろっていなくても申請できます。

要するに、

Bさんの氏名・住所を知っている → 原則として親族欄には記載する。
ただし「援助の見込みなし」と具体的に説明する。
Bさんを記載したからといって、必ずBさんに連絡・扶養照会が行われるわけではない。

という整理が分かりやすいです。

特にAさんが心配しているのであれば、申請時に**「兄には経済的余裕がなく、扶養は期待できないので、その点を考慮して扶養照会の要否を判断してほしい」**とケースワーカーへ明確に伝えておくのが適切です。

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所