(Q)健康保険法等の医療保険制度により、葬祭扶助基準を若干上回る埋葬料・葬祭費または葬祭料が支給される場合について、以下の点について教えてください。当該被保険者の職場における交際等から判断して、真にやむを得ないと認められる場合、支給された埋葬料等のうち実際に葬祭に当てられた額は収入認定の対象としないことができますか?また、葬祭に係る需要は、この支給によって消滅したものとして取り扱って差し支えないでしょうか?
(A)はい。この質問は、健康保険などから支給される埋葬料・葬祭費等が生活保護の葬祭扶助基準を少し上回った場合、そのお金を「収入」として扱うのか、また別途葬祭扶助を支給する必要があるのかという質問です。
簡単に言い換えると、
「健康保険から葬儀代としてお金が支給され、生活保護の葬祭扶助の基準額を少し超えていたとしても、職場関係などから通常より葬儀費用が必要だった場合、実際に葬儀に使ったお金まで収入認定するのでしょうか。また、そのお金で葬儀ができたのであれば、生活保護から葬祭扶助を別に出す必要はないのでしょうか?」
という意味です。
結論
このような場合、社会通念上、真にやむを得ない事情があると認められれば、健康保険等から支給された埋葬料・葬祭費・葬祭料のうち、実際に葬祭に充てられた額については、収入として認定しない取扱いができます。
例えば、亡くなった方の職場での立場や交際関係などから、葬祭扶助の基準額だけでは対応することが難しく、多少多くの葬祭費用を要したケースです。
健康保険等から25万円の埋葬料等が支給され、その25万円が実際に必要な葬祭費用として使われたとします。
この場合、単純に、
「葬祭扶助の基準を超えた部分は余った収入だから、生活保護の収入として認定する」
と機械的に処理するのではなく、その葬祭費用が本人の職場における交際等からみて真にやむを得ないものであったかを確認します。
その必要性が認められれば、実際に葬祭に充てた額については収入認定しないことができます。
ただし、葬祭扶助をさらに支給するわけではありません
ここがこの質問のもう一つの重要なポイントです。
健康保険等から支給された埋葬料等によって、必要な葬祭費用が実際に賄われたのであれば、葬祭に必要な需要はその給付によって満たされた(消滅した)ものとして取り扱って差し支えありません。
つまり、
健康保険等の埋葬料等で葬祭費用を賄えた
→ その範囲について収入認定しない
→ 一方、その葬祭需要は既に満たされている
→ 同じ葬祭費用について生活保護から重ねて葬祭扶助を支給しない
という考え方です。
具体例
仮に葬祭扶助の基準額が22万円程度で、健康保険等から25万円が支給されたとします。
職場関係などの事情から実際に25万円の葬祭費用が必要となり、25万円全額を適正に葬祭へ使用したのであれば、真にやむを得ない事情が認められることを前提として、その実際に葬祭に充てた額を収入認定しない取扱いが可能です。
ただし、その25万円によって葬祭費用が賄われていますから、さらに生活保護から同じ葬祭費用を支給する必要はありません。
反対に、25万円の給付を受けても実際の葬祭費用が20万円で、5万円が残ったという場合には、残った5万円まで当然に「葬祭に充てた額」として収入認定から除外されるわけではありません。 実際の使途等を確認して収入認定を判断することになります。
したがって、この質問は、**「健康保険等の埋葬料・葬祭費等が葬祭扶助基準を若干上回っていても、職場での交際等から真にやむを得ないと認められ、実際に葬祭に使用した額については収入認定しないことができる。ただし、その給付によって葬祭費用が賄われた以上、その範囲の葬祭需要は消滅したものとして扱い、同じ費用について葬祭扶助を重ねて支給しない」**と理解すると分かりやすいです。
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