(Q1)住宅扶助の限度額とは何ですか?(Q2)高額な家賃の住居に住んでいる場合、生活保護を受けるにはどうすればよいですか?(Q3)敷金や引っ越し費用は生活保護で支給されますか?

(A1)住宅扶助の限度額とは、
生活保護で家賃として支給される金額の「上限(これ以上は出ませんという額)」のことです。🏠


わかりやすい説明

生活保護では、家賃は「住宅扶助」として支給されますが、
どんなに家賃が高くても、無制限に支給されるわけではありません。

→ 国や自治体が
「この地域・世帯人数ならここまで」
という**上限額(限度額)**を決めています。

これが 住宅扶助の限度額 です。


具体例

例えば、ある地域で

  • 単身者の限度額:40,000円

の場合

実際の家賃支給される住宅扶助自己負担
35,000円35,000円0円
40,000円40,000円0円
50,000円40,000円(限度額まで)10,000円は自己負担

ポイント

✅ 限度額以内 → 全額支給
✅ 限度額を超える → 超えた分は自己負担
✅ 限度額は

  • 地域(都市部は高い)
  • 世帯人数
    で変わります

なぜ限度額があるのか

生活保護は「最低限度の生活」を保障する制度のため、
地域の一般的な家賃水準を基準に上限が決められているためです。


実務上よくあるケース

限度額超過物件に住んでいる場合:
 → 転居指導が行われることがあります

申請時:限度額以内の物件を探すよう指導される

(A2)高額な家賃の住居に住んでいても、生活保護の申請自体は可能です。ただし、家賃が基準額(住宅扶助の上限)を超えている場合は、そのまま住み続けられないことが多いため、次のような対応になります。


① まずは申請はできる(家賃が高くてもOK)

生活保護は
**「現在の生活状況が困窮しているか」**で判断されるため、

  • 家賃が高い
  • 高級マンションに住んでいる

という理由だけで申請が拒否されることはありません。

👉 まずはその住所のまま申請できます。


② 住宅扶助には「上限額」がある

生活保護では、家賃は「住宅扶助」として支給されますが、地域ごとに上限額があります。

例(目安:単身者)

  • 大都市:40,000~53,700円程度
  • 中都市:30,000~45,000円程度
  • 小都市:25,000~35,000円程度

※正確な額は自治体ごとに異なります。


③ 上限を超えている場合は「引っ越し指導」が出る

例えば

  • 現在の家賃:80,000円
  • 上限:50,000円

→ 差額30,000円は支給されません。

そのため福祉事務所から

「基準内の住宅へ転居してください」

と指導されます。

これを
👉 転居指導
といいます。


④ すぐに追い出されるわけではない

通常は次の流れです:

  1. 生活保護開始
  2. 数か月の猶予期間
  3. 安い住宅を探す
  4. 転居

多くの場合
6か月程度の猶予があります。


⑤ 引っ越し費用は生活保護で支給される

基準内住宅へ引っ越す場合は、

  • 敷金
  • 礼金(必要最小限)
  • 仲介手数料
  • 引っ越し費用

などが
👉 生活保護から支給されます(住宅扶助・移転費)

自己負担は基本ありません。


⑥ 例外:そのまま住める場合もある

次のような事情があれば、転居しなくても認められる場合があります:

  • 重度の障害がある
  • 近くに病院が必要
  • 同じ家賃帯しか地域に物件がない
  • 高齢で転居が困難

※ケースワーカーの判断


⑦ 絶対にやってはいけないこと

生活保護申請前に

❌ 勝手に退去する
❌ 家賃を払えず滞納する
❌ ホームレスになる

→ 不利になる場合があります。

まずは
👉 現在の住居のまま申請するのが正解です

(A3)一定の条件を満たせば、生活保護で敷金や引っ越し費用は支給されます。
ただし、**自由に引っ越したい場合すべてが対象になるわけではなく、「必要性が認められた場合」に限られます。**わかりやすく説明します。


生活保護で支給される引っ越し費用(住宅扶助の一部)

生活保護には「住宅扶助」という制度があり、これに含まれる形で**転居に必要な費用(敷金など)**が支給されることがあります。


支給される主な費用

認められた場合、次のような費用が対象になります。

① 敷金

  • 原則支給されます
  • 上限は地域の基準額内

② 礼金

  • 必要と認められれば支給されます(地域により判断)

③ 仲介手数料

  • 支給対象になります

④ 引っ越し業者代

  • 見積書を提出して認められれば支給

⑤ 火災保険料

  • 必要最低限のものは対象

⑥ 保証会社利用料

  • 保証人がいない場合などは対象になることが多い

支給される代表的なケース(重要)

次のような「やむを得ない理由」が必要です。

よく認められる例

  • 家賃が高く、基準額以内の住宅へ転居する場合
  • 立ち退きを求められた場合
  • DV・虐待などで避難が必要な場合
  • 入院・施設退所に伴い住居が必要な場合
  • ホームレス状態から入居する場合
  • 現在の住宅が危険・老朽化している場合
  • 世帯人数が変わり、住居が適さなくなった場合

認められにくい例

  • 「気分を変えたい」
  • 「通勤が少し遠い」
  • 「もっと新しい部屋に住みたい」

→ 正当な理由がないと支給されません。


非常に重要:勝手に契約すると支給されません

必ず

契約前に福祉事務所の許可を受ける必要があります。

順番:

  1. ケースワーカーに相談
  2. 転居の必要性が認められる
  3. 物件を探す
  4. 見積書提出
  5. 承認後に契約

支給方法

多くの場合:

  • 現金支給ではなく
  • 不動産会社や引越業者へ直接支払い

上限の目安(例)

地域ごとに異なりますが:

引越費用:最も安い業者基準

家賃:住宅扶助基準内

敷金:通常は家賃の数か月分以内

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