(Q1)他に入所できる適切な施設がない場合、どのような措置が講じられますか?(Q2)簡易宿泊所を住所として保護を行うことを妨げる規定はありますか?
(A1)「他に入所できる適切な施設がない場合」は、すぐに退所させられるわけではありません。
一般的には次のような対応が取られます。
- 現在の施設で継続して受け入れできないか検討する
- 退所期限が近づいても行き先が決まらない場合、施設・家族・ケアマネジャー・市町村が協議します。
- 特別養護老人ホーム(特養)や介護医療院等への入所調整
- 空きが出るまで待機しながら調整を続けます。
- 病院や他の介護施設への一時的な転所
- 医療的ケアが必要な場合は病院への転院が検討されます。
- 市区町村による支援
- 身寄りがなく認知症があるなど、自力で住まいを確保できない場合は、市区町村の高齢福祉担当部署が介入して住まいや施設を調整します。
- 生活保護を受給している場合
- 福祉事務所も関与し、施設入所や住居確保の支援を行います。
特に、以前ご相談のあった「89歳・認知症あり・要介護1・家族の引き取りが難しい」というケースであれば、老健の退所期限が来ても行き先がないからといって直ちに路頭に迷うことはありません。施設、市町村、高齢福祉課、地域包括支援センターなどが連携して次の受け皿を探すことになります。
なお、老健の場合は「6か月で必ず退所」という誤解がありますが、実際には利用者の状況や受入先の有無によって利用が継続されることもあります。具体的なケースであれば、今の施設種別や入所者の状況を教えていただければ詳しくご説明できます。
(A2)生活保護の相談や住宅支援の場面で「現在地(居所)」として簡易宿泊所(無料低額宿泊所、簡易宿所、ネットカフェ等を含む)を取り扱う場合の注意点は次のとおりです。
1. 実際に居住していることを確認する
簡易宿泊所であっても、継続的に生活している実態があれば「現在の居所」として扱われます。
例
- 簡易宿泊所
- 無料低額宿泊所
- ネットカフェ
- シェルター
- 知人宅への一時的な居候
2. 住民票がなくても申請できる
生活保護は「現に生活している場所」を管轄する福祉事務所へ申請できます。
そのため、
- 住民票が別の市町村にある
- 住民票を職権消除されている
- 住民票がない
という場合でも申請は可能です。
3. 郵便物の受取方法を確認する
簡易宿泊所では郵便物の受取りができない場合があります。
そのため、
- 宿泊所で受取可能か
- 福祉事務所留めにできるか
- 親族宅等を連絡先にできるか
を事前に確認しておくことが重要です。
4. 退所予定の有無を確認する
宿泊期間に制限がある施設もあります。
例えば、
- シェルターは数週間~数か月
- 一時保護施設は期限あり
というケースがあるため、退所後の住居確保を早めに検討する必要があります。
5. 居住実態を証明できる資料を準備する
福祉事務所から確認を求められることがあります。
準備するとよいもの
- 宿泊契約書
- 領収書
- 利用証明書
- 施設職員の証明書
6. 保護開始後の転居費用の可能性を検討する
簡易宿泊所は恒久的な住居ではないことが多いため、保護開始後にアパート等へ転居する際、要件を満たせば住宅扶助による転居費用や敷金等が認められる場合があります。
一言でいうと
「簡易宿泊所で生活していても生活保護の申請は可能ですが、居住実態の確認、郵便物の受取、退所予定の有無、今後の住居確保を特に確認しておくことが重要です。」
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