(Q)父が亡くなり、遺産は自宅の土地と建物だけで、預貯金はほとんどありません。相続人は兄弟4人です。このような場合、自宅をどのように分けるのがよいのか悩んでいます。また、選んだ分け方によって、発生する税金は変わるのでしょうか?

(A)① 【現物分割】

➡ 自宅を相続人のうち1人がそのまま相続する方法

● メリット

  • 手続きが最も単純
  • 不動産を売却せずそのまま活用できる

● デメリット

  • 他の相続人に対して「代償金(代わりのお金)」を支払う必要がある
     → 預貯金が少ない場合は、代償金の工面が問題になることも

● 税金

  • 代償金を受け取る側には税金なし
  • 代償金を支払う側にも贈与税はかからない(税務上は“調整”扱い)
  • 不動産を取得した人には 相続税不動産取得税(多くは非課税)、登録免許税が発生

② 【代償分割】

➡ 1人が自宅を相続し、他の相続人には「金銭」で公平を図る方法
(①の現物分割と似ていますが、“金銭で調整する”点を強調した呼び方)

● 税金

  • 代償金に 贈与税はかからない
  • 評価額次第で相続税が発生することがある

※ 預貯金が少ない場合は現実的に難しいケースも多いです。


③ 【換価分割(売却して分ける方法)】

➡ 自宅を売却し、売れた金額を4人で分ける方法

● メリット

  • 最も公平に分けられる
  • 代償金の問題がなく、シンプル

● デメリット

  • 自宅が売れるまで時間がかかる
  • 住んでいる人がいる場合、退去や調整が必要

● 税金

  • 売却益(売れた値段 - 取得費)のある場合、譲渡所得税 がかかる
  • 相続税は原則かからない場合が多い(基礎控除が大きいため)

④ 【共有分割】

➡ 4人全員で共有名義にする方法

● メリット

  • とりあえず今は自宅を動かさずに済む
  • 住んでいる家族がそのまま住み続けられる

● デメリット

  • 将来売却する際に全員の同意が必要
  • 共有者の誰かが亡くなるたびに共有者が増え、手続きが複雑化
    長期的にはトラブルになりやすい

● 税金

  • 相続税のみ
  • 将来売った場合は共有者ごとに譲渡所得税が発生

✦ まとめ:どの方法が良いか?

ご家族の状況によって最適解が変わりますが、

  • 誰かが住み続けたい → 現物分割 or 代償分割
  • 全員平等にしたい → 換価分割(売却)
  • 当面は現状維持 → 共有分割(ただし将来トラブルのリスク大)

が一般的な判断基準になります。

また、選んだ分割方法によって生じる税金は変わります
(特に売却する場合の譲渡所得税に注意)。