(Q)地域生活定着支援センターによる調整を受けて、A市の刑務所を出所した者がB市を帰住予定地とした場合、局第2の12の(3)によりB市を帰住地と解し、B市において現在地保護を行ってもよいでしょうか?
(A)地域生活定着支援センターがB市を「帰住予定地」として調整しただけでは、直ちに局第2の12の(3)の「帰住地」と認定することはできません。
ただし、出所後、本人が実際にB市の受入先へ帰住した場合には、B市を「帰住地」とし、出身世帯への帰住でなければ、B市を現在地とみなして、B市が現在地保護を行うことになります。
なぜ「帰住予定地」だけでは足りないのか
局長通知第2の12の(3)は、刑務所などから釈放・仮釈放された人について、次のように定めています。
- 帰住先が本人の出身世帯である場合
→ その帰住地を「居住地」とする - 出身世帯以外の場所へ帰住する場合
→ その帰住地を「現在地」とみなす
つまり、通知が対象としているのは、単なる希望や調整段階の場所ではなく、出所後に実際に帰住することが具体的・確実になった場所と考えられます。
地域生活定着支援センターは、出所後の住居や福祉サービスの受入れ調整を行いますが、センターによる調整だけで、法的に帰住地が指定されたことにはなりません。
仮釈放の場合との違い
仮釈放について、地方更生保護委員会が更生保護施設などを帰住地として正式に指定した場合は、その指定地を局第2の12の(3)の「帰住地」として扱ってよいとされています。
一方、地域生活定着支援センターによる調整は、原則として、このような地方更生保護委員会による正式な帰住地指定とは異なります。
ご質問の事例
A市の刑務所から出所し、地域生活定着支援センターの調整によって、B市の施設・住居・宿泊先などへ実際に移る場合は、次のようになります。
出所前・調整中
B市はまだ「帰住予定地」にすぎないため、B市を現在地とみなして生活保護を開始する扱いは、原則として適切ではありません。
出所後、B市の受入先に実際に到着した場合
B市が帰住地となります。帰住先が本人の親族などの出身世帯でなければ、B市を現在地とみなし、B市が現在地保護を行うことができます。
わかりやすく言うと
「B市に行く予定」だけではB市の保護責任にはなりません。
実際にB市の受入先へ帰住した段階で、B市が現在地保護を行うのが基本です。
ただし、仮釈放に際して地方更生保護委員会がB市の施設等を正式な帰住地として指定している場合は、その指定を根拠にB市を帰住地として扱うことができます。
なお、A市とB市で実施責任について見解が分かれた場合も、本人の保護に空白が生じないよう、両市が協議して保護を実施し、解決しない場合は都道府県等に判断を求めるべきとされています。
⇓