(Q)先日父が亡くなり、相続人は母と兄と私の3人です。遺産には預貯金と不動産がありますが、父は「全てを母が相続する」という遺言を残していました。また、父は生前、兄に自宅建築のための資金を渡していました。
私は相続人として「遺留分」を請求できると知ったので、その手続きをしたいと考えています。遺留分はどのような方法で行使すればよいのでしょうか?

(A)お父様が遺言書で「全ての遺産をお母様に相続させる」と指定していた場合であっても、相続人であるあなたには**遺留分(法律で保障された最低限の遺産取得分)**が認められています。

遺留分を行使するには、以下の手続きが必要です。


1.遺留分侵害額請求を行う

まず、お母様(遺贈等を受けた方)に対して、書面で「遺留分侵害額請求」をする必要があります。

  • 内容証明郵便で通知する方法が一般的
  • いつ請求したかの証拠を残すことが重要

2.請求できる期間に注意

遺留分侵害額請求には期限があります。

期限内容
1年以内遺留分が侵害されていることを知った時から1年以内
10年以内相続開始(死亡)から10年以内

※ いずれか早い方が期限となります。


3.遺留分の金額を計算

預貯金・不動産の評価額から、
兄への生前贈与(自宅建築資金)も含めて遺産全体を評価します。

そのうえで、
あなたの遺留分は通常、法定相続分の1/2です。

(例)相続人:配偶者+子2人の場合

  • 法定相続分:各子1/4
  • 遺留分:1/4 × 1/2=1/8(遺産全体の1/8を請求可能)

※ 生前贈与は状況により持ち戻し対象となります。


4.協議・示談での解決を目指す

お母様との話し合いで解決することが望ましく、
合意に至れば**遺留分侵害額の支払い(主に金銭)**を受ける形となります。


5.話し合いがまとまらない場合

調停や裁判での解決を検討します。

  • 家庭裁判所に遺留分侵害額請求調停を申立てる
  • 必要に応じて弁護士への依頼を検討

■まとめ

協議→調停→訴訟の流れ

遺留分は「権利行使の通知」が必要

内容証明郵便で遺留分侵害額請求を行うのが一般的

期限(1年)に注意

生前贈与も考慮して遺留分を計算