(Q)私の交際相手(70歳)が、「自分が亡くなったら軽井沢の別荘をあなたに渡す」と言ってくれていますが、後で気が変わるかもしれないのが不安です。友人からは、遺言書のほかに「死因贈与契約」という方法もあると聞きました。
そこで質問です。
死因贈与契約とはどんな制度ですか?
途中で取り消すことはできますか?
そして、遺言書とはどんな違いがありますか?
(A)ご交際相手が「亡くなった後に軽井沢の別荘を贈りたい」と考えておられる場合、主に「遺言書」と「死因贈与契約」という2つの方法で実現することができます。
■ 死因贈与契約とは?
生前に「自分が亡くなったら、この財産をあなたに贈ります」という約束を、贈与する側と受け取る側の双方が合意して結ぶ契約です。
贈与者がお亡くなりになった時点で効力が生じ、財産が受取人に移ります。
■ 取り消しはできる?
死因贈与契約は「契約」ですので、原則として一方的に取り消すことはできません。
ただし、契約書の内容として「贈与者は自由に撤回できる」といった解除条項を入れることで、柔軟に対応できます。
また、受取人の著しい背信行為(虐待・重大な非礼など)があった場合など、民法上の特別な理由があれば解除可能となるケースもあります。
■ 遺言書との違い
| 項目 | 死因贈与契約 | 遺言書 |
|---|---|---|
| 性質 | 契約(双方の合意必要) | 一方的な意思表示 |
| 撤回 | 原則できない(条項を入れれば可) | いつでも撤回可能 |
| 作成方式 | 書面が望ましいが方式自由 | 厳格な方式が必要(自筆、公正証書など) |
| 法的安定性 | 契約内容がしっかりしていれば強い | 方式不備などで無効となる可能性あり |
■ どちらが望ましい?
・気持ちが変わる可能性を残したい場合
→ 遺言書(特に公正証書遺言)
・約束を確実にしたい場合
→ 死因贈与契約+公正証書化
※必要に応じて撤回条項も設定可能です
【まとめ】
撤回の自由度や方式の厳格性が、遺言との大きな違い
死因贈与契約は「亡くなったら渡す」という約束を双方で交わす制度
原則として撤回しづらいが、事前に条項を設定すれば対応可能