(Q1)入院または入所中の被保護者が、施設やグループホーム等で体験入所を行う場合、その期間中の生活費の取扱いはどのようになりますか?(Q2) 体験入所を行った月の基準生活費は、どのように計算されますか?また、特例加算額や期末一時扶助額はどのように扱われますか?

(A1)結論

入院・入所中の生活保護受給者が、退院後の生活に向けて施設やグループホームなどへ**体験入所(試験入所)**する場合は、体験入所期間を「外泊」と同じように扱い、食費・燃料費に相当する生活費を日割りで追加支給できます。

入院患者日用品費などをすぐに居宅の基準生活費へ切り替えるわけではありません。

体験入所中に支給できる生活費

原則として、次の金額を体験入所の日数に応じて日割りします。

① 飲食費相当分

本人の第1類費 × 75%

体験入所先で必要となる食事代などに相当する部分です。

② 燃料費相当分

第2類費 × 20%

調理、入浴、照明などに必要な光熱費に相当する部分です。

この2つを合わせて、体験入所の日数分を生活扶助として支給して差し支えないとされています。

入院患者日用品費との関係

入院中の人の場合は、基本的に、

  • 入院患者日用品費は継続
  • それとは別に、体験入所中の食費・燃料費を追加

という取扱いになります。

つまり、体験入所しただけで、直ちに「退院した」「グループホームへ正式入居した」として生活費の種類を全面的に変更するわけではありません。

体験入所の利用料・室料について

体験入所先に、宿泊する部屋の代金に当たる利用料・室料を支払う必要がある場合は、その施設が住宅扶助の対象となる住居であれば、住宅扶助として認定できる場合があります。

支給できる金額は、原則として、

住宅扶助の限度額を体験入所日数に応じて日割りした額の範囲内

です。実際に支払う必要がある金額が、その範囲内で認定されます。

ただし、食事代、サービス利用料、介護費などがすべて住宅扶助になるわけではありません。住宅扶助の対象になるのは、原則として室料・家賃に相当する部分です。

分かりやすい例

病院に入院中の人が、退院後の生活を検討するため、グループホームに3泊4日の体験入所をしたとします。

この場合は、原則として、

  • 入院患者日用品費はそのまま支給
  • 3泊分の飲食費相当額を追加
  • 3泊分の燃料費相当額を追加
  • 室料が必要な場合は、住宅扶助限度額の日割り額の範囲で検討

となります。

注意点

体験入所にかかる費用は、すべて自動的に支給されるわけではありません。事前に福祉事務所へ、

  • 体験入所の目的
  • 入所先
  • 入所期間
  • 食費や光熱費の内容
  • 室料・利用料の内訳
  • 障害福祉制度など他制度から支給される金額

を伝え、確認を受ける必要があります。

要するに、体験入所中は、現在の入院・入所中の生活費を基本的に維持したうえで、体験期間中に必要となる食費・燃料費と、必要に応じて室料相当額を日割りで追加する取扱いです。

(A2)結論

体験入所を行った月も、もともとの入院・入所中の基準生活費を基本として計算します。

そのうえで、体験入所した日数分について、居宅基準生活費のうち

  • 飲食費相当分
  • 燃料費相当分

を日割りで追加します。

体験入所した月の生活費を、居宅の基準生活費1か月分へ全面的に切り替えるわけではありません。

基準生活費の計算方法

入院中の人の場合、基本的には次の計算になります。

入院患者日用品費(月額)
+体験入所日数分の飲食費相当額
+体験入所日数分の燃料費相当額

施設入所中の人の場合も、原則として、

その施設で通常算定している基準生活費
+体験入所日数分の飲食費・燃料費相当額

という考え方です。

厚生労働省の問答では、体験入所期間について、入院患者日用品費とは別に、居宅基準生活費の飲食費相当分と燃料費相当分を、日数に応じて支給できるとされています。

追加額の基本的な考え方

体験入所中の追加額は、おおむね次のように計算します。

第1類費の75%+第2類費の20%

この合計額を日割りし、体験入所の日数分を支給します。

例えば、5日間の体験入所であれば、月額相当額を日割りして5日分を追加するイメージです。

特例加算額の取扱い

特例加算額は、体験入所中の飲食費や燃料費とは別のものです。

したがって、対象者に特例加算が認定されている場合は、原則として、

  • 入院患者日用品費などに特例加算を加える
  • さらに体験入所日数分の生活費を追加する

という取扱いになります。

ただし、体験入所中の追加額を計算する際の「第1類費75%・第2類費20%」の中に、特例加算額を重ねて含めるものではありません。

つまり、特例加算を体験入所日数分だけ二重に支給するわけではないということです。

期末一時扶助額の取扱い

期末一時扶助は、12月に年末の特別な需要に対応するために支給されるものです。

体験入所を行った月が12月であっても、対象者であれば、原則として、

  • 入院・入所中の基準生活費
  • 特例加算額
  • 期末一時扶助額
  • 体験入所日数分の飲食費・燃料費

をそれぞれの基準により算定します。

期末一時扶助を体験入所日数だけで日割りしたり、体験入所中の食費に含めたりするものではありません。入院患者日用品費や施設入所者基本生活費が算定される期間中の期末一時扶助・各種加算は、その人が所在する地域の級地基準によって算定するとされています。

分かりやすい例

病院に入院している人が、12月に5日間、グループホームで体験入所した場合は、原則として次のようになります。

費目取扱い
入院患者日用品費月額を通常どおり算定
特例加算額対象者であれば通常どおり算定
期末一時扶助額12月の対象者であれば算定
体験入所中の飲食費5日分を日割りで追加
体験入所中の燃料費5日分を日割りで追加
居宅基準生活費1か月分全額への切替えはしない

まとめ

体験入所を行った月は、次の考え方になります。

元の入院・入所中の生活費を維持し、体験入所日数分の飲食費・燃料費だけを追加する。

特例加算額と期末一時扶助額は、体験入所の追加生活費とは別に、それぞれの要件に基づいて算定します。したがって、体験入所をしたことだけを理由に、特例加算や期末一時扶助が停止されるわけではありません。

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