(Q3)主として重症心身障害児者を通わせる多機能型生活介護事業所が、多機能型児童発達支援等を一体的に行い、利用定員が全ての事業を通じて5名の場合、報酬や加算の取扱いはどのようになりますか?

(A3)結論

主として重症心身障害児者を対象とする多機能型事業所が、生活介護と児童発達支援等を一体的に行い、すべての事業を通じた利用定員が5名の場合、生活介護の報酬区分は次のようになります。

報酬・加算適用する定員区分
生活介護の基本報酬定員5名以下
常勤看護職員等配置加算定員5名以下
人員配置体制加算定員20名以下

厚生労働省の令和6年度報酬改定Q&Aで、この取扱いが明示されています。


なぜ「事業所全体の5名」で判断するのか

このタイプの多機能型事業所では、例えば、

  • 生活介護は3名
  • 児童発達支援は2名

というように、事業ごとに定員を分けて設定するのではありません。

生活介護、児童発達支援、放課後等デイサービスなど、すべての事業を合わせて定員5名以上として運営します。

つまり、事業ごとの定員の定めがなく、各事業を一体的に行っているため、基本報酬だけでなく、定員に応じて区分が決まる加算も、事業所全体の定員5名を基準に判断します。


1.生活介護の基本報酬

基本報酬は、多機能型事業所全体の利用定員で判断します。

この事例では、全事業を通じた定員が5名なので、

定員5名以下の基本報酬区分

を適用します。

この「定員5名以下」の区分は、一般的な多機能型生活介護ではなく、主として重症心身障害児者を対象として、児童発達支援等と一体的に行う多機能型事業所に認められている特別な区分です。


2.常勤看護職員等配置加算

常勤看護職員等配置加算についても、事業所全体の定員5名を基準にします。

そのため、

定員5名以下の区分

を適用します。

ただし、実際に加算を算定するには、定員区分だけでなく、所定の看護職員を配置するなど、それぞれの算定要件を満たす必要があります。


3.人員配置体制加算

人員配置体制加算も、事業所全体の定員5名で判断します。

5名は20名以下に当たるため、

定員20名以下の区分

を適用します。

こちらも、職員の配置割合や対象利用者の障害支援区分など、別に定められた要件を満たす必要があります。


人員配置はどのように見るのか

このケースでは、看護職員や生活支援員などの職員配置も、生活介護部分だけを切り分けるのではなく、原則として多機能型事業所全体の配置状況に応じて加算を判断します。

これは、生活介護と児童発達支援等が事業ごとに分かれているのではなく、一体的に運営されているためです。


具体例

全体定員5名の事業所で、その日の利用者が、

  • 成人の生活介護利用者:3名
  • 児童発達支援の利用児:2名

だったとします。

この場合でも、「生活介護の定員は3名」として報酬区分を選ぶのではありません。

事業所全体の定員である5名を基準として、

  • 基本報酬:5名以下
  • 常勤看護職員等配置加算:5名以下
  • 人員配置体制加算:20名以下

と判断します。


通常の多機能型との違い

通常の多機能型生活介護では、

  • 基本報酬は多機能型事業所全体の定員
  • 常勤看護職員等配置加算などは生活介護部分の定員

で判断するのが基本です。

しかし、重症心身障害児者を対象とする多機能型では、事業ごとの定員設定がないため、基本報酬も各種配置加算も、すべて事業所全体の定員で判断する点が大きな違いです。


まとめ

全事業を通じた利用定員が5名の重症心身障害児者対象の多機能型事業所では、

  • 基本報酬
    → 定員5名以下
  • 常勤看護職員等配置加算
    → 定員5名以下
  • 人員配置体制加算
    → 定員20名以下

となります。

覚え方は、

「重心型は事業ごとの定員を分けず、報酬も加算も事業所全体の定員で見る」

です。

なお、定員区分に該当するだけでは加算を算定できず、看護職員数や人員配置割合など、それぞれの加算要件を満たす必要があります。

記事のお問い合わせ