(Q3)罹災世帯に対する親族や知人からの援助の有無は、家具什器費の認定にどのように影響しますか?(Q4)最低生活に必要な家具什器の程度を的確に把握するためには、どのような調査や検討が求められますか?
(A3)結論
親族や知人から家具・家電や購入費の援助を受けられる場合、その援助で必要な物を確保できる範囲については、家具什器費が支給されない、または支給額が少なくなることがあります。
ただし、親族や知人がいるだけで一律に不支給になるわけではありません。実際に援助を受けられるか、援助だけで最低限の生活用品がそろうかを福祉事務所が確認します。
どのように判断されるか
福祉事務所は、主に次の点を調査します。
- 親族や知人から家具を譲ってもらえるか
- 家具の購入費を援助してもらえるか
- 援助される家具が実際に使用できる状態か
- 援助の時期が明確で、すぐに利用できるか
- 援助を受けても不足する家具があるか
- 災害見舞金、保険金、支援物資などがあるか
罹災世帯の家具什器費については、家具の焼失・流失・破損の程度だけでなく、他からの援助の有無も十分に調査して判断する必要があるとされています。
具体例
1.必要な家具をすべて援助してもらえる場合
例えば、親族から、
- 布団
- 炊飯器
- 鍋や食器
- テーブル
など、最低限必要な物をすべて譲ってもらえる場合は、同じ物について家具什器費を重ねて支給する必要はありません。
2.一部だけ援助してもらえる場合
親族から布団と炊飯器は譲ってもらえるものの、鍋・食器などが不足している場合は、不足する物だけを家具什器費として認定することができます。
3.援助の話があるだけで、実際には受けられない場合
「親族が助けてくれるかもしれない」という程度で、援助の内容や時期が決まっていない場合は、単に援助の可能性があるというだけで不支給にはできません。
実際に援助を受けられる見込みがあるかを確認し、それでも最低生活に必要な家具が確保できない場合は、家具什器費を検討します。
金銭援助を受けた場合
親族や知人から家具購入のための金銭を受けた場合、その金銭で必要な家具を購入できる範囲については、原則として保護費から同じ費用を重ねて支給しません。
一方、災害による生活基盤の回復に使うための援助金については、一定の要件の下で、収入として扱わず自立更生のために使うことが認められる場合があります。ただし、その援助金を充てる経費について、さらに保護費を重ねて支給することはできません。
まとめ
- 援助で必要な家具が全部そろう場合
→ 原則として家具什器費は支給されません。 - 一部しかそろわない場合
→ 不足する最低限の家具について支給を検討します。 - 援助が不確実・実現しない場合
→ 援助があると決めつけず、必要性を個別に判断します。
つまり、親族や知人からの援助を優先して活用し、それでも最低生活に必要な家具が不足する部分について家具什器費を認定するという考え方です。
(A4)結論
最低生活に必要な家具什器の程度を正しく判断するためには、家庭訪問などによって現物を確認し、世帯の生活状況に合わせて、必要な品目と数量を一つずつ検討することが求められます。
家具什器費の上限額を一律に支給するのではなく、現在不足している物に限って、必要最小限の額を認定するのが基本です。
1.現在の家具を実際に確認する
家庭訪問などにより、次の点を確認します。
- どの家具や生活用品を持っているか
- 故障・破損している物は何か
- 修理や再利用が可能か
- 災害の場合、何が焼失・流失したか
- 住居に備え付けられている設備は何か
本人の申告だけでなく、可能な限り現物や被害状況を確認します。
2.世帯の状況を確認する
必要な家具の種類や数量は、世帯によって異なります。そのため、
- 世帯人数
- 大人・子どもなどの世帯構成
- 年齢
- 病気や障害の有無
- 日常生活の方法
などを確認します。
例えば、1人世帯と子どものいる家族世帯では、必要な食器や炊事用具の数量が異なります。
3.住居の設備や広さを確認する
新しい住居に、
- コンロ
- 照明器具
- エアコン
- 収納設備
- 給湯設備
などが備え付けられているかを確認します。
また、部屋の広さや間取りも考慮し、実際に設置・使用できない家具を認定しないようにします。
4.他の方法で確保できないか確認する
次のような援助や給付が利用できないかも調査します。
- 親族や知人からの譲渡・援助
- 自治体や支援団体からの支援物資
- 災害救助法による救助
- 保険金や災害見舞金
- 施設などから持ち出せる用品
これらを利用しても不足する部分について、家具什器費を検討します。
5.価格や購入内容を確認する
必要な物について、
- 見積書
- 商品の価格
- 中古品を含む市場価格
- 配送や設置費用の必要性
などを確認します。
新品や高額な商品を前提とせず、地域の低所得世帯との均衡を失わない範囲で、実用的な物を選ぶ必要があります。特に布団類は、以前使っていた物を再生して使用できないかを優先して検討し、むやみに新品を支給しないよう留意するとされています。
具体例
火災で家具を失った3人世帯の場合、福祉事務所は、
- 現場や写真などで被害状況を確認する
- 使用可能な家具が残っていないか確認する
- 自治体の支援物資や親族からの援助を確認する
- 住居の備え付け設備を確認する
- それでも不足する炊事用具や食器などを選ぶ
- 見積額と基準額を比べて必要額を決定する
という流れで判断します。
まとめ
最低生活に必要な家具什器を的確に把握するためには、現物確認、家庭訪問、世帯状況、住居設備、援助の有無、再利用の可能性、価格の妥当性などを総合的に調査します。
つまり、「何もないから上限額を支給する」のではなく、その世帯が最低限の生活を送るために、現実に何がどれだけ不足しているかを個別に確認することが重要です。
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