(Q1)公共職業能力開発施設等に通所して技能修得する場合、交通費は支給されますか?(Q2)稼働収入のある世帯の保育に欠ける児童が保育所または幼稚園に通園する場合、交通費は支給されますか?

(A1)結論

いいえ。

公共職業能力開発施設等に通所して技能を修得するための交通費は、移送費としては支給されません。

これは、交通費は移送費ではなく「技能修得費」の一部として支給・認定することになっているためです。

なぜ移送費ではないの?

生活保護では、支給する目的によって費用の区分が決まっています。

  • 施設へ通って技能を身につけるための交通費
    技能修得費で対応
  • 施設へ入所・退所するための交通費
    移送費で対応

つまり、

「通学・通所の交通費」は技能修得費、
「引っ越しや入退所のための移動」は移送費という違いがあります。

具体例

支給される例(技能修得費)

Aさんが職業能力開発校へ毎日通い、職業訓練を受ける場合

  • 電車代
  • バス代

これらの通所交通費は、技能修得費として認定されます。

移送費にならない例

「職業能力開発校へ毎日通うので、交通費を移送費で支給してほしい」

移送費の対象にはなりません。

関連する取扱い

同じ考え方で、

働いている世帯の子どもが保育所や幼稚園へ通う交通費についても、

  • 移送費ではなく、
  • 収入を得るための必要経費として取り扱います。

まとめ

公共職業能力開発施設等へ通所して技能を修得する場合の交通費は、

  • 移送費では支給されません。
  • 技能修得費として必要な交通費を認定します。

つまり、「通うための交通費」は技能修得費、「入所・退所などの移動」は移送費と区別して考えると分かりやすいでしょう。

(A2)結論

交通費を「移送費」として別に支給することはできません。

ただし、保護者が働いて収入を得るために、子どもを保育所または幼稚園へ通わせる必要があり、その通園交通費を実際に負担している場合は、「収入を得るための必要経費」として稼働収入から控除します。

生活保護問答集の問7-50では、この交通費について、移送費ではなく、収入を得るための必要経費で対応するとされています。

どのような仕組みですか?

例えば、保護者の給料が月10万円で、子どもの通園交通費が月3,000円かかる場合は、概念的には、

給料10万円 − 通園交通費3,000円
= 9万7,000円

を基礎として収入認定します。

さらに、社会保険料、本人の通勤費、基礎控除など、ほかの控除がある場合は、それらも差し引いて最終的な収入認定額を計算します。勤労収入を得るための必要経費は、実際に必要な額を認定する取扱いです。

つまり、交通費が3,000円かかった場合に、

  • 保護費へ3,000円を上乗せするのではなく、
  • 給料のうち3,000円を収入として扱わない

という方法です。

認められるための主な条件

通園交通費が必要経費として認められるには、一般に次の点が確認されます。

  • 保護者が現に就労して稼働収入を得ている
  • 就労のため、家庭で子どもを保育できない
  • 保育所または幼稚園への通園が就労の継続に必要である
  • 世帯が実際に交通費を負担している
  • 通園バス、電車、バスなどの費用が必要かつ妥当である
  • 無料送迎など、ほかに利用できる手段がない

単に希望する遠方の幼稚園へ通わせる場合など、就労との関係がなく、より近くて合理的な施設を利用できる場合は、全額が認められないことがあります。

具体例

認められる可能性が高い例

母親が午前8時から勤務するため、子どもを保育所へ通わせているが、徒歩では通えず、毎月バス定期代が必要となる場合。

→ 就労を続けるために必要な通園費として、稼働収入から控除する対象になり得ます。

原則として対象になりにくい例

自宅の近くに利用可能な保育所があるにもかかわらず、教育方針など個人的な希望で遠方の幼稚園を選び、高額な通園バス代が発生する場合。

→ 就労のために必要な最小限の費用かどうかを個別に判断されます。

注意点

必要経費として控除を受けるため、福祉事務所から次の書類を求められることがあります。

  • 通園バス代や定期券代の領収書
  • 施設の利用決定通知
  • 勤務時間の分かる就労証明書
  • 通園経路や交通手段が分かる資料

実際に負担する前に、ケースワーカーへ通園先、交通手段、月額料金を伝えて確認しておくことが大切です。

まとめ

稼働収入のある世帯で、保育を必要とする児童が保育所・幼稚園へ通う交通費は、

  • 移送費としては支給されない
  • 就労に必要な場合は、収入を得るための必要経費として稼働収入から控除する

という取扱いです。

したがって、実質的には負担が考慮されますが、「交通費を現金で追加支給する」のではなく、「その金額を収入として認定しない」仕組みと考えると分かりやすいです。

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