(Q1)預貯金等の保護再開に関する規定とは何ですか?(Q2)どのような場合に預貯金等の保護が再開されますか?

(A1)「預貯金等の保護再開に関する規定」とは、生活保護が一時的に「停止」された人が、停止前から保有を認められていた預貯金などを持ったまま、再び保護が必要になった場合にどう扱うかを定めたものです。

厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」の問18の3に、この取扱いが示されています。

ポイントは、保護停止前に「生活のために直ちに使うべき資産ではない」と認められていた預貯金等は、保護停止中もそのまま保有することが認められるということです。保護の停止は、おおむね6か月以内に再び保護が必要になる可能性がある場合など、一時的に保護を止める制度だからです。

例えば、生活保護受給中に、将来必要となる特定の支出のため、自立更生計画などに基づいて30万円の預貯金を保有することが福祉事務所から認められていたとします。その後、就職して一時的に収入が増え、保護が「停止」されたとしても、その30万円について直ちに全部生活費として使わなければならない、という扱いにはなりません。停止前に保有が認められていたものであれば、原則として停止期間中も保有できます。

そして、収入が減るなどして再び生活保護が必要となり、保護を再開する際には、福祉事務所が次の点を確認します。

  • 預貯金の使用目的が停止前と変わっていないか
  • 預貯金の金額が停止前と変わっていないか
  • 変更されている場合は、なぜ変更されたのか
  • 自立更生計画等に沿った預貯金として、引き続き保有を認められるものか

つまり、「保護を再開するから、それまで認められていた預貯金を全部使い切らなければならない」という規定ではありません。 使用目的などに変更がなければ、引き続き保有が認められる場合があります。

一方で、「保護停止」と「保護廃止」は違う点に注意が必要です。厚生労働省は、保護停止はおおむね6か月以内に再び保護を要することが予想される場合などに行い、保護廃止は、特別な事情がない限り再開する必要がない場合や、おおむね6か月を超えて保護を要しない状態が続く場合に行う、と整理しています。保護廃止後は生活保護制度上の制約を受けないため、後日再び生活保護を申請する場合には、その時点の預貯金・資産状況を改めて審査することになります。

したがって、簡単に言えば、

「保護停止前に、福祉事務所から保有を認められていた預貯金は、停止期間中も原則として持っていてよい。保護を再開するときは、その預貯金の目的・金額が変わっていないか確認し、引き続き保有を認められるか判断する」

という規定です。

なお、ここでいう**「活用すべき資産には当たらないものとして認められた預貯金等」とは具体的にどのようなお金なのか**を理解すると、この規定がさらに分かりやすくなります。たとえば自立更生目的の預貯金などがあります。

(A2)はい。ここでいう「預貯金等の保護が再開される」というより、正確には、生活保護そのものが「停止」されていた人について、再び生活保護が必要な状態になったときに保護を再開し、その際に以前から認められていた預貯金等をどう扱うかという規定です。厚生労働省の問18の3に示されています。

保護が再開される典型的なケースは、たとえば就職して一時的に収入が増えたため保護が「停止」されたものの、その後、失業・収入減少・傷病などによって再び最低生活費を収入でまかなえなくなった場合です。保護の「停止」は、一般に、おおむね6か月以内に再び保護が必要になることが予想される場合や、保護が不要な状態がまだ確実とはいえず、しばらく生活状況を見る必要がある場合に行われます。

例えば、生活保護受給中に月15万円の給与を得られるようになり、一時的に保護が停止されたとします。その後、3か月後に失業して収入がなくなり、再び生活保護が必要な状態になれば、福祉事務所が生活状況や収入を確認したうえで保護を再開することになります。

このとき、停止前から「活用すべき資産には当たらない」と認められていた預貯金等がある場合は、停止したからといって直ちにその預貯金を全部使い切る必要はありません。 保護停止中もその預貯金等の保有は認められます。

ただし、保護を再開するときには、福祉事務所が、自立更生計画等を確認して、①預貯金の使用目的が停止前と変わっていないか、②金額が変わっていないか、③変わっている場合はその理由は何かを確認します。

たとえば、将来必要となる福祉用具や自立のための費用として30万円の預貯金の保有が認められていたとします。

保護受給 → 就職して保護停止 → 3か月後に失業 → 保護再開

となった場合でも、その30万円について目的や金額に問題がなければ、「30万円あるから全部使ってからでないと保護を再開できない」と機械的に扱うのではなく、引き続き保有できるかを確認して判断することになります。

一方で、注意が必要なのは**「停止」と「廃止」の違い**です。保護の廃止は、特別な事情がない限り再び保護を必要としない場合や、おおむね6か月を超えて保護不要の状態が続く場合に行うものとされ、廃止後は生活保護制度上の制約を受けません。その後に困窮した場合は、基本的には改めて保護の要否を判断することになります。

したがって、簡単に整理すると、

「保護停止中に、失業・収入減少などによって再び最低生活を維持できなくなった場合、保護が再開される。その際、停止前から保有を認められていた預貯金については、使用目的や金額に変更がないかを確認し、引き続き保有できるか判断する」

という仕組みです。

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