(Q3)預貯金等を保有していた場合、どのような手続きが必要ですか?(Q4)保護再開の対象となる預貯金等にはどのようなものがありますか?
(A3)生活保護を受給している人が預貯金等を保有している場合は、その預貯金があることを福祉事務所に申告し、金額・お金の出所・使用目的を確認してもらうのが基本です。
厚生労働省の実施要領では、預貯金があるからといって、すべて直ちに使い切らなければならないわけではありません。たとえば、生活保護費をやり繰りして貯めたお金について、その使用目的が生活保護の趣旨・目的に反しない場合には、保有を認めることができるとされています。
実際の手続きとしては、担当ケースワーカーに「預貯金があります」と伝え、必要に応じて通帳、口座残高、取引履歴などを提出・提示します。そのうえで福祉事務所が、「どのように貯まったお金なのか」「何に使う予定なのか」「生活保護上、保有を認められる預貯金なのか」を確認します。生活保護では、原則として利用できる資産は最低生活の維持のために活用することになっていますが、保有した方が生活維持や自立に役立つものなどには例外があります。
特に、将来の特定の支出のために計画的に貯める場合は注意が必要です。内容によっては、あらかじめ「何のために、いくら貯めるのか」を示し、福祉事務所の承認を受けることが求められます。厚労省の通知でも、就学費用など一定の場合については、貯蓄する経費の内容・金額を具体的にし、原則として事前に実施機関の承認を得る取扱いが示されています。
例えば、生活保護費を毎月少しずつ節約して10万円貯まり、「冷蔵庫が故障したときの買替えなど、生活維持に必要な支出に備えるため」という場合には、10万円あるというだけで直ちに収入認定されるわけではありません。福祉事務所が、その預貯金の形成経緯や目的などを確認して判断します。
一方、給与、年金、失業給付、仕送り、保険金など、保護費の節約とは別の新たなお金が口座に入った場合は、単なる「貯金」としてではなく、収入として申告・認定の対象になる可能性があります。そのため、ケースワーカーに速やかに申告することが重要です。
簡単にまとめると、
「預貯金を保有している場合は、福祉事務所に申告し、通帳等で残高・形成経緯・使用目的を確認してもらう。保護費のやり繰りで生じた預貯金などは、目的が生活保護の趣旨に反しなければ保有が認められる場合がある。ただし、外部から新たに得た金銭については収入申告が必要になる。」
という取扱いです。
なお、前のご質問の**「保護停止→保護再開」の場面で預貯金が残っている場合の手続き**を意味しているのであれば、そのケースに限定して、再開時に何を確認・提出するのかも整理できます。
(A4)「保護再開の対象となる預貯金等」とは、保護を停止する前に、福祉事務所が「生活のために直ちに活用すべき資産には当たらない」と認めていた預貯金等を指します。厚生労働省の問18の3でも、この預貯金等は保護停止中も保有でき、再開時に使用目的や金額を確認する取扱いが示されています。
具体的には、代表的なものとして次のような預貯金があります。
- 生活保護費のやり繰りによって貯めた預貯金
使用目的が生活保護の趣旨・目的に反しないものであれば、活用すべき資産に当たらないものとして保有が認められる場合があります。 - 自立更生のために認められた預貯金
例えば、就労や自立に必要な物品・費用などについて、具体的な自立更生計画に基づいて保有が認められているものです。 - 進学のために計画的に貯めている預貯金
高校卒業後の大学、専修学校、各種学校への進学費用など、一定の条件のもとで保護費をやり繰りして貯蓄することが認められる場合があります。 - 自立更生目的として収入認定されなかった金銭を貯めたもの
自立更生を目的として贈与された金銭や、一定の補償金・保険金・見舞金などについて、福祉事務所が自立更生のために使われるものとして認めた場合などです。
重要なのは、単に銀行口座にお金が残っているだけでは対象にならないという点です。
例えば、保護停止前に30万円の預金があったとしても、
「これは保護費を節約して貯めたもので、将来必要になる○○のために使う」
ということが福祉事務所によって認められていた場合には、停止中もその30万円を保有できる可能性があります。
そして再び保護が必要になった際には、
「停止前と同じ目的で保有しているか」「金額が変わっていないか」「変わっている場合はなぜ変わったのか」
を、自立更生計画等によって福祉事務所が確認します。
逆に、収入を申告せずに貯めたお金や、停止後に新たに得た給与・年金・仕送りなどがそのまま対象になるわけではありません。 それらは別途、収入や資産として判断されます。
したがって、非常に簡単にいうと、
「保護再開時にそのまま保有できる可能性があるのは、保護停止前から福祉事務所が保有を認めていた、生活保護費のやり繰りによる貯金や自立更生目的の預貯金などです。」
ということになります。
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