(Q1)医療従事者(看護師や作業療法士など)が年休や有給休暇を取得する場合、現場ではどのような穴埋め対応が必要ですか?(Q2)欠勤や休職が発生した際、現場の業務に支障が出ないようにするための具体的な手順やルールはありますか?

(A1)はい。障害児通所支援などで、看護師・作業療法士(OT)などの医療従事者が年休(有給休暇)を取得した場合は、「休んだ職員と同じ資格者を必ず1対1で代替配置しなければならない」というわけではありません。

大切なのは、その日の人員配置基準や、算定する加算の配置要件を満たしているかです。

たとえば、看護師が有給休暇を取った場合でも、残っている職員だけでその日の人員基準を満たし、利用する医療的ケア児に必要な医療的ケアを安全に提供できる体制が確保されていれば、必ずしも別の看護師を穴埋めする必要があるとは限りません。

一方で、その看護師が医療的ケア児への医療的ケアを行うために不可欠な職員であり、休むことで必要な医療的ケアを提供できなくなる場合には、別の看護職員等を配置するなどの対応が必要になります。

作業療法士についても同様です。OTが休んだからといって、常に別のOTを配置しなければならないわけではありません。しかし、例えば専門的支援体制加算などでOTを配置職員として算入している場合は、有給休暇によって常勤換算などの加算要件を満たさなくならないかを確認する必要があります。

ここで重要なのが、「人員配置基準」と「加算要件」と「安全な支援体制」を分けて確認することです。

具体的には、

  • その職員が休んでも、指定基準上の必要人数を満たしているか
  • 常勤換算が必要な加算の場合、その月の常勤換算数を満たしているか
  • 看護職員の配置そのものが要件になっている報酬・加算ではないか
  • 医療的ケア児が利用する場合、必要な医療的ケアを安全に実施できるか
  • 専門的支援実施加算など、実際に専門職が支援したことを評価する加算について、その日に算定要件を満たしているか

を確認します。

また、有給休暇は勤務した扱いになる場合があるから、現場にいなくても必ず配置人数に数えてよいと単純に考えるのは危険です。報酬上の「常勤」「常勤換算」「実際に配置されていること」「実際に支援を実施すること」は、それぞれ意味が異なるためです。

例えば、医療的ケア児が利用する日に、

看護師A:有給休暇で不在
看護師B:出勤して必要な医療的ケアを実施
その他の必要な職員:配置基準を満たしている

という状態であれば、看護師Aが休んだという理由だけで直ちに人員欠如になるわけではありません。

逆に、

看護師A:有給休暇
他に医療的ケアを実施できる職員がいない
当日は医療的ケア児が利用

という場合には、単に「Aは有給だから勤務扱い」として済ませることはできません。実際に必要な医療的ケアを提供できる職員・連携体制を確保する必要があります。

したがって、現場での考え方を一言でまとめると、**「有給を取った職員を機械的に同資格者で穴埋めするのではなく、その職員が不在でも①人員基準、②加算の配置要件、③利用児の安全・医療的ケア体制の3つを満たせるかを確認し、満たせない場合に代替職員を配置する」**となります。

特に注意が必要なのは、**「有給休暇を常勤換算の勤務時間に含められるか」**です。これは障害児通所支援の人員配置・加算算定で実務上かなり重要なので、職種別・加算別に分けて考える必要があります。

(A2)はい。障害児通所支援の事業所で欠勤・病休・休職などが発生した場合、「必ずその日のうちに同じ資格の職員を1人補充する」という一律のルールではありません。重要なのは、人員配置基準・加算要件・利用児童の安全な支援体制を維持できているかです。

こども家庭庁のQ&Aでは、看護師・PT・OT等が病欠、年休、休職等で出勤しない場合について、非常勤職員は欠勤時間を常勤換算に入れられないものの、必ず欠勤した当日に穴埋めする必要はなく、他の日の勤務で補い、週単位で必要な常勤換算数を満たせばよいとされています。一方、常勤職員については、欠勤等が歴月で1か月を超えない限り、一定の場合に常勤として常勤換算に含める取扱いが示されています。

現場では、次のような手順にしておくと分かりやすいです。

  1. 欠勤・休職が分かった時点で管理者へ報告する
    「誰が・いつから・どの程度休むのか」を確認し、勤務表を修正します。
  2. その職員がどの配置に算入されているか確認する
    基準人員なのか、児童指導員等加配加算なのか、専門的支援体制加算なのか、医療的ケア児対応の看護職員なのかなどを確認します。
  3. 人員配置基準を再計算する
    特に非常勤職員の欠勤時間は、そのまま常勤換算に算入できません。ただし、他の日の勤務で補い、必要な常勤換算数を確保できるケースがあります。
  4. 必要なら代替職員を配置する
    シフト変更、他の要件を満たす職員の勤務追加、非常勤職員の追加などで対応します。長期休職なら、代替職員の採用等も検討します。
  5. 加算の要件も別に確認する
    基本の人員基準を満たしていても、加配職員や専門職が休むことで、特定の加算の配置要件を満たさなくなる場合があります。特に欠勤等が長期化する場合は注意が必要です。
  6. 児童の安全を確認する
    とりわけ医療的ケア児が利用する日に看護職員が休む場合、「常勤換算上は問題ない」というだけでは不十分です。実際に必要な医療的ケアを安全に提供できる体制があるかを確認します。
  7. 人員不足が解消できない場合は指定権者へ相談する
    人員欠如を放置してはいけません。こども家庭庁の留意事項でも、人員欠如の未然防止に努めることとされ、人員不足の程度・期間によっては人員欠如減算の対象になります。

例えば、非常勤OTが月曜日に病欠した場合、「月曜日だから必ず別のOTを1人呼ばなければならない」わけではありません。 他の日の勤務を調整して常勤換算要件を満たし、かつ月曜日の児童への支援に支障がなければ、必ずしも当日の代替配置までは求められません。

一方で、「計算上の人数を満たしているから、現場に必要な職員がいなくてもよい」という意味ではありません。 医療的ケア、専門的支援、安全管理など、その日に実際に必要な支援を提供できる職員配置は確保する必要があります。

したがって、現場のルールとしては、

「欠勤発生 → 管理者へ報告 → 人員基準を確認 → 加算要件を確認 → 児童の安全・支援への影響を確認 → 必要ならシフト変更・代替配置 → 長期化する場合は指定権者への届出・相談」

という流れをあらかじめ決めておくとよいでしょう。

特に重要なのは、「欠勤したその日の穴埋めが必ず必要か」と「常勤換算上どう扱うか」は別問題だという点です。こども家庭庁も、職種・常勤/非常勤・欠勤期間などによって取扱いを分けています。

令和8年8月には加算届出関係の通知も一部改正されていますので、加算の配置要件に影響する場合は最新の届出様式・指定権者の取扱いも確認してください。

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