(Q)保護開始前の滞納分に係る介護保険料について、介護保険料加算の対象とすることは認められますか?

(A)結論からいうと、保護開始前に滞納していた介護保険料を、生活保護の「介護保険料加算」で支給することは認められていません。

厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」問67でも、「保護開始前の滞納分に係る保険料」は介護保険料加算の対象として認められないと明確にされています。

介護保険料加算は、生活保護受給中の第1号被保険者が、普通徴収によって介護保険料を納める必要がある場合に、その納期に実際に納付すべき保険料額を保障するものです。したがって、生活保護開始後に納期が来る保険料は対象になりますが、保護開始前にすでに納期限が過ぎて滞納となっているものまで遡って支給する制度ではありません。

たとえば、Aさんが8月1日から生活保護を開始したものの、4月・5月分の介護保険料を払っておらず滞納していた場合、その4月・5月分の滞納保険料を介護保険料加算として追加支給することはできません。

一方で注意したいのが、「滞納分」と「未納分」は必ずしも同じ扱いではないことです。たとえば他市町村から転入してきた被保護者について、転入前の市町村から後になって月割り賦課された保険料を請求された場合、その中に生活保護受給期間に対応する未納分があり、まだ「滞納したもの」ではない場合には、一定の範囲で介護保険料加算を認定できる取扱いがあります。

つまり、

保護開始前にすでに納期限が過ぎていた介護保険料
→ 加算対象外

保護開始後の生活保護受給期間に対応して納付義務が生じる介護保険料
→ 原則として介護保険料加算の対象

と整理すると分かりやすいです。

要するに、**介護保険料加算は「過去の借金・滞納を清算するための制度」ではなく、「生活保護受給中に現在必要となる介護保険料を保障する制度」**という考え方です。

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所