(Q1)自動車運転免許の更新や資格の更新の際に受講する講習等に要する費用は、技能修得費として支給できますか?(Q2)通勤用や事業用自動車の保有が認められている場合、勤労・事業収入から必要最小限度の額を必要経費として控除することは可能ですか?

(A1)はい、一定の場合には技能修得費として支給できます。

厚生労働省の「生活保護問答集」では、自動車運転免許の更新や、資格更新の際に受講する講習等の費用について、その資格が生業に必要であり、技能修得のために必要なものと認められる場合には、技能修得費の「資格検定等に要する費用」として支給して差し支えないとされています。

たとえば、仕事を続けるために自動車運転免許の更新が必要な場合や、資格職として働き続けるために法定講習・更新講習を受けなければならない場合などです。単に「資格を持っておきたい」というだけではなく、就労や生計維持に必要な資格であることがポイントになります。

一方で、すでに通勤用・事業用自動車の保有を認められている人については、自動車運転免許の更新費用などを技能修得費としてではなく、勤務収入・事業収入を認定する際の必要経費として、必要最小限度の額を控除できる場合があります。

なお、実施要領では、技能修得費として認められるものに資格検定等に要する費用が含まれていますが、原則として「同一の資格検定等につき一度限り」という規定もあります。更新講習については、上記問答で別途「必要な場合には支給して差し支えない」と整理されています。

したがって、わかりやすく整理すると、

仕事に必要な免許・資格を維持するための更新講習等
→ 技能修得費として認められる場合がある

通勤用・事業用自動車を保有し、その仕事の収入がある場合
→ 更新費用を収入認定上の必要経費として扱える場合がある

ということです。

要するに、「資格更新だから対象外」ではなく、その免許・資格が現在または今後の生計維持・就労に必要かどうかを見て判断するという取扱いです。

(A2)はい、可能です。

生活保護上、通勤用または事業用として自動車の保有が正式に認められている場合には、その自動車を仕事や事業に使うために必要な費用について、必要最小限度の額を「必要経費」として勤労収入・事業収入から控除して差し支えないとされています。厚生労働省の実施要領の取扱いでも明確に示されています。

対象になり得る費用としては、たとえば次のようなものがあります。

  • 通勤・事業に必要な燃料費
  • 修理費
  • 車検費用
  • 自賠責保険料
  • 対人・対物賠償に係る任意保険料
  • 自動車重量税
  • 自動車税・軽自動車税
  • 自動車運転免許の更新費用 など

たとえば、Aさんが月10万円の給与を得ていて、通勤のため自動車の保有が認められており、その月に通勤に必要なガソリン代8,000円がかかった場合、その8,000円について必要性・金額が適切と認められれば、収入認定上の必要経費として控除できます。

ただし、ここで大切なのは、自動車にかかった費用なら何でも全額控除できるわけではないという点です。あくまで、通勤または事業のために必要な範囲で、かつ必要最小限度の額に限られます。私的なドライブに使ったガソリン代などは、当然そのまま必要経費にはできません。

また、任意保険については、厚労省通知上、必要経費として認められるのは原則として対人・対物賠償に係る保険料です。車両保険などまで当然に控除対象になるわけではありません。さらに、自動車税・軽自動車税については、身体障害者等の場合に減免制度が利用できることがあるため、まず減免の可否を確認する必要があります。

そして、これらの必要経費は勤労控除とは別の問題です。生活保護の収入認定では、勤労収入について基礎控除などを適用しますが、通勤等に実際に必要な経費についても、通知に基づき必要額を控除する仕組みがあります。

要するに、**「生活保護上、通勤用・事業用自動車の保有が認められている人については、その車を仕事のために維持・使用するのに必要な燃料費、修理費、車検費、保険料、税金、免許更新費などを、必要最小限度の範囲で勤労・事業収入から控除できる」**という取扱いです。

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