(Q5)学校長の許可を得て原動機付自転車(バイク)で通学する場合、バイクの購入費および維持費は交通費の給付対象となりますか?(Q6)定期券等を紛失した場合の取り扱いはどのようになりますか?

(A5)学校長の許可を得て原動機付自転車(バイク)で通学する場合でも、バイクの購入費や維持費が当然に高等学校等就学費の「通学交通費」として支給されるわけではありません。

高等学校等就学費の通学交通費は、生活保護基準上、**「通学に必要な最小限度の額」**が対象です。厚生労働省の問答では、電車・バス等については最も経済的な経路・方法を利用すること、自転車については必要な場合に購入費を交通費の実費として認めて差し支えないことが明示されています。

一方、原動機付自転車の購入費について、高校通学用として自転車と同じように認めてよいという明確な規定は確認できません。 したがって、

「学校がバイク通学を許可している」

「生活保護からバイク購入費が支給される」

という関係にはなりません。

例えば、自宅から高校まで公共交通機関がなく、徒歩や自転車では著しく困難で、バイク以外に現実的な通学手段がないという事情があったとしても、まず福祉事務所では、公共交通機関、自転車、スクールバスなど、より経済的な代替手段がないかを確認することになります。

また、ガソリン代、修理代、軽自動車税、自賠責保険料、任意保険料などの維持費についても、高校通学用バイクだから当然に高等学校等就学費から支給されるという規定はありません。

なお、仕事のために保有が認められた125cc以下のオートバイや原動機付自転車については、燃料費、修理費、保険料、税金などを勤労・事業収入の必要経費として控除できる取扱いがあります。しかし、これは「就労・事業用」の取扱いであり、高校への通学費とは別の制度です。

したがって、整理すると、

通学定期代 → 必要最小限度の額を認定可能
通学用自転車購入費 → 必要なら認定可能
通学用バイク購入費 → 自転車のような明確な支給規定はなく、原則として当然には認められない
バイクのガソリン代・修理代・税金・保険料 → 高等学校等就学費として当然に支給されるものではない

という違いがあります。

要するに、学校長がバイク通学を許可していても、それだけでは購入費・維持費の給付要件にはなりません。生活保護では「最も経済的で必要最小限の通学方法か」が重要で、自転車購入費は明文で認められていますが、原動機付自転車については同じ扱いが明示されていない、と理解すると分かりやすいです。

(A6)定期券等を紛失した場合は、原則として、生活保護費から同じ定期券代をもう一度当然に支給してもらえるわけではありません。

高等学校等就学費の通学交通費は、**「通学に必要な最小限度の実費」**を支給する仕組みです。厚生労働省も、最も経済的な経路・方法で通学定期券を購入し、支給後は定期券の写しなどで購入実績を確認する取扱いを示しています。

そのため、定期券を紛失した場合は、まず鉄道会社やバス会社に再発行できるかを確認します。たとえば、記名式IC定期券などで再発行制度が利用できる場合には、新しく定期券を全額買い直すのではなく、再発行手数料等で対応することになります。

一方、再発行できず、新しい定期券を購入しなければ通学できない場合でも、本人の不注意による単純な紛失について、生活保護から自動的に再支給するという明確な規定はありません。 まず紛失の事情、再発行の可否、通学を継続するための必要性などを福祉事務所が個別に確認することになります。

なお、生活保護では、学用品については災害その他の不可抗力によって失った場合に再支給できる特別な規定があります。 これと同じ考え方からも、単なる紛失と、盗難・災害など本人の責任によらない事情とは区別して判断されることになります。

例えば、

本人が電車内で定期券を落とした → まず鉄道会社に再発行を申請

災害や盗難など本人の責任によらず定期券を失い、再発行もできない → 福祉事務所に事情を説明し、必要な対応を個別に相談

という流れが分かりやすいです。

要するに、**「定期券を紛失したら、まず再発行制度を利用する。紛失したからといって同額が自動的に再支給されるわけではなく、再発行できない場合などは紛失原因や通学の必要性を踏まえて福祉事務所が個別に判断する」**という取扱いです。

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所