(Q)高等学校等就学費に係る保護開始前の需要の補填について、どのように取り扱えばよいですか?例:保護開始前に制服の購入や授業料・入学料の前納など、既に高等学校等就学費の給付対象となる需要が満たされている場合の取り扱い方法を教えてください。

(A)この場合の基本的な考え方は、生活保護開始前にすでに満たされている需要については、原則として保護費でさかのぼって補填しないというものです。

生活保護法8条では、保護は「現在の需要のうち、本人の金銭・物品で満たすことのできない不足分」を補うものとされています。したがって、保護開始前に制服を購入済みであったり、授業料・入学料をすでに支払済みであったりして、その需要が完全に満たされている場合は、通常はその支払額を後から高等学校等就学費として払い戻すことはしません。

たとえば、4月1日に高校へ入学し、3月中に制服5万円を自己資金で購入し、入学料も支払済みだった人が、4月10日から生活保護を開始した場合です。この場合、制服代や入学料は原則として保護開始前にすでに需要が満たされているため、遡って支給する対象にはなりません。

ただし、注意が必要なのが**「前納」**です。たとえば保護開始前に、4月〜9月分の授業料をまとめて支払っていた場合、形式的には保護開始後の期間分も含んでいますが、すでに学校への支払いによってその需要が満たされているなら、原則として同じ費用を生活保護から重ねて支給することはありません。これは二重給付を避ける考え方です。授業料の減免等によってすでに需要が満たされている場合も、同じく保護費による給付は不要とされています。

一方で、就学資金の貸付で費用を賄っていた場合は少し扱いが違います。 厚労省問答では、保護開始時にすでに就学資金の貸付を受けていても、貸付内容を変更できるなら貸付を停止・減額したうえで高等学校等就学費を給付します。変更が難しく、保護開始後に貸付金を受け取る場合は、生活保護で賄われる部分を償還させたうえで高等学校等就学費を給付する取扱いも示されています。

また、基本額については少し違い、保護開始月でも月額全額を計上します。さらに学期途中で保護開始した場合、開始月以後のその学期分について、学用品購入時に一括支給することもできます。つまり、「保護開始前の分」は対象外ですが、保護開始月以降の需要はきちんと認定するということです。

要するに、

保護開始前に自己資金などで制服・入学料・授業料をすでに支払済み
→ 原則、後から生活保護費で補填しない

保護開始後に必要となる就学費
→ 高等学校等就学費として認定

貸付金で賄っていた
→ 貸付停止・減額・償還の可否を確認して調整

という整理になります。

特に判断のポイントは、**「保護開始時点で、その費用に対応する需要がすでに満たされているか」**です。

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