(Q)夫と夫の父が同じ事故で亡くなりました。夫には異母弟がいると聞いています。この場合、1.夫の相続人と、夫の父の相続人は誰になるのでしょうか?また、その相続人をどうやって調べればよいのでしょうか?さらに、2.もし私が夫の子を妊娠していた場合、相続にどんな影響が出るのでしょうか?
(A)1.夫と夫の父が同じ事故で死亡した場合の相続人
■ポイント
問題となるのは
「どちらが先に亡くなったか(同時死亡かどうか)」
です。
法律では、誰が先に亡くなったか不明な場合は 「同時死亡」とみなす(民法32条2項) ため、互いに相続しません。
■(1) 夫の相続人
夫の相続人は、以下の順序で決まります。
●【同時死亡とみなされる場合】
夫は父から相続しません。
したがって、夫の相続人は 妻であるあなたと、夫の兄弟(異母弟) になります。
順位:
1位:妻(あなた)
2位:夫の兄弟(この場合「異母弟」も兄弟として同順位)
割合:
妻:3/4
兄弟:1/4
(兄弟が複数いれば1/4を人数で割る)
■(2) 夫の父の相続人
父についても「父 → 夫」へ相続は発生しません。
よって、父の相続人は以下のとおりです。
順位:
1位:父の妻(夫の母、後妻でも可)
2位:子
※夫と異母弟は、ともに「父の子」なので相続人。
割合:
子が複数:均等
妻がいる場合:妻1/2、残り1/2を子どもで均等
2.相続人をどうやって調べるか?
相続人調査(戸籍調査)を行います。
●必要な資料
相続人(夫・父)それぞれについて
- 出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)
- 本籍地の戸籍謄本
- 兄弟姉妹がいる場合、その親の戸籍も必要
異母弟の存在確認のため、
- 父の「婚姻歴・認知の記録」が記載された戸籍を確認します。
●取得方法
- 亡くなった方の本籍地の市区町村へ請求
- 遺族(相続人候補)は法的に請求可能
- 行政書士に依頼して職務上請求も可能(原則)
兄弟姉妹が相続人に含まれる案件は、戸籍の範囲が広く、一般の方では難しいため、専門家に依頼されると確実です。
3.あなたが夫の子を妊娠していた場合(胎児の扱い)
■胎児は「すでに生まれたもの」として相続できる(民法886条)
つまり、
あなたが妊娠していた場合、その子は夫の相続人になる
(生まれる前でも、出生後に確定)
●夫の相続への影響
胎児も法律上は「夫の子」として扱うため、相続割合は以下のように変わります。
例:相続人が妻と、胎児と、異母弟の場合
- 妻:1/2
- 子:1/2
- 兄弟は除外される(子がいる場合、兄弟は相続人にならない)
※子が1人の場合
夫の兄弟には一切相続権がなくなります。
●父(夫の父)の相続には影響なし
胎児は「夫の子」であり、「夫の父の子」ではないため、
夫の父の相続には関係しません。
■まとめ
◆1.夫の相続人
- 妻(あなた)
- 夫の兄弟(異母弟を含む)
※ただしあなたが妊娠していた場合 → 子が優先され兄弟は相続人から外れる。
◆2.夫の父の相続人
- 父の妻
- 父の子(夫・異母弟など)
※同時死亡なら夫は父を相続しない。
◆3.相続人調査の方法
- 出生から死亡までの戸籍をすべて収集する
- 異母兄弟の確認には父の婚姻歴が必須
- 行政書士に依頼可能
◆4.妊娠していた場合
生まれれば子が優先され、夫の兄弟には相続権なし
胎児も夫の相続人