(Q1)施設入所者とその出身世帯の世帯分離は、どのような場合に認められますか?(Q2)施設入所者と生活保持義務関係にある者が出身世帯にいる場合でも、世帯分離が認められる具体的な条件は何ですか?
(A1)生活保護における施設入所者とその出身世帯の世帯分離とは、施設に入所した人を元の家族世帯とは別の世帯として取り扱うことです。
わかりやすく言うと
例えば、
- 母親が特別養護老人ホームや障害者支援施設に入所した
- 息子は自宅で生活している
この場合、通常は親子なので同一世帯として考えられますが、一定の場合には
- 母親 → 施設の世帯
- 息子 → 自宅の世帯
として別々に生活保護を判断します。
世帯分離が認められる主な場合
① 長期間施設で生活する場合
施設入所が一時的ではなく、今後も継続して施設で生活する見込みがある場合です。
例
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設(長期化している場合)
- 障害者支援施設
- 救護施設
など。
② 生計が別になっている場合
施設での生活費や日用品費などを施設内で管理し、自宅の家族と家計が完全に分かれている場合です。
③ 出身世帯との経済的な結びつきがない場合
家族が生活費を負担しておらず、施設入所者も家族の生活費を負担していない場合です。
なぜ世帯分離するのか
生活保護は原則として「世帯単位」で行われます。
しかし、
- 施設入所者の生活
- 自宅で暮らす家族の生活
が実質的に別になっている場合まで一つの世帯として扱うと実態に合わないため、例外的に世帯分離が認められています。
具体例
【例1】
母(85歳)が特養に入所し、息子が自宅で生活。
→ 母は施設で生活し、息子とは家計も別。
→ 世帯分離が認められる可能性が高いです。
【例2】
障害者支援施設に入所中の利用者。
→ 長期入所で施設内で生活が完結している。
→ 世帯分離が認められる可能性が高いです。
【例3】
病院へ2か月入院しただけ。
→ 退院して自宅へ戻る予定。
→ 原則として世帯分離は認められません。
根拠
生活保護では、世帯分離について厚生労働省の「生活保護手帳別冊問答集」や「生活保護手帳(世帯認定)」に基づき、**「居住・生計を一にしているかどうか」**で判断されます。
簡単にまとめると、
施設に長期間入所し、家族と家計が完全に別になっている場合は、施設入所者と出身世帯の世帯分離が認められることが多い。
一時的な入院や短期間の施設利用では、通常は世帯分離されない。
という理解で大丈夫です。行政書士として生活保護申請を支援する場合は、「施設入所が長期化していること」「生計が独立していること」を福祉事務所に説明することが重要です。
(A2)はい。これは生活保護の「世帯認定」の取扱いに関する話です。
結論から言うと、施設に入所している人に対して、出身世帯(家族)に生活保持義務関係のある人がいても、一定の場合には世帯分離が認められます。
わかりやすく言うと、
「親子や夫婦なので本来は同じ世帯として考えるけれど、実際には施設で生活していて家計も別になっているため、生活保護上は別世帯として扱う」
ということです。
具体的に世帯分離が認められる例
① 長期間施設に入所している場合
例えば、
- 特別養護老人ホーム
- 障害者支援施設
- 児童福祉施設
- 救護施設
などに継続的に入所し、自宅へ戻る見込みがない、または極めて低い場合。
例
認知症の母親が特養に入所し、息子は自宅で生活している。
→ 生計が別であるため世帯分離が認められることがあります。
② 家計が完全に別になっている場合
施設入所者の生活費が
- 年金
- 生活保護費
- 施設給付費
などで賄われており、出身世帯と金銭管理をしていない場合。
例
障害者支援施設に入所中の子どものお金を施設や後見人が管理している。
→ 出身世帯と家計が別のため世帯分離が認められやすいです。
③ 出身世帯が施設入所者を実際には扶養していない場合
生活保持義務関係(親子・夫婦など)があっても、
- 仕送りをしていない
- 生活費を負担していない
- 同居していない
場合は別世帯として扱われることがあります。
注意点
世帯分離が認められても、
扶養義務そのものがなくなるわけではありません。
生活保護では、
- 世帯は別
- しかし親族への扶養照会は行われる場合がある
という取扱いになります。
行政書士実務でよくあるケース
ユーザー様が取り扱われることの多い
- 老健入所者
- 特養入所者
- 障害者支援施設入所者
- グループホーム退所待機者
などは、
「施設で独立した生活を営んでいる」「家計が別」「長期入所」
であれば世帯分離が認められることが多いです。
生活保護実務では、
「同じ戸籍かどうか」ではなく
「現実に生計を一にしているかどうか」
が重要な判断基準になります。
したがって、
施設入所者が家族と別に生活し、家計も独立している場合は、生活保持義務関係のある親族が出身世帯にいても世帯分離が認められることがあります。
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