(Q1)妻の住み込み先が、夫の退院後の居住先となる見込みがほとんどない場合でも、夫婦は同一世帯と認定されるのでしょうか?(Q2)妻が収入の一部を夫に仕送りしている場合、夫婦の居住地はどのように認定されますか?
(A1)はい。妻の住み込み先が夫の退院後の居住先になる見込みがほとんどない場合でも、直ちに別世帯とはなりません。
生活保護では、夫婦は原則として「同一世帯」として取り扱われます。
ただし、次のような事情がある場合には、別世帯として認定されることがあります。
- 夫婦関係が事実上破綻している
- 長期間にわたり別居が継続することが確実である
- 離婚協議中である
- 夫婦がそれぞれ独立した生活を営んでいる
- 将来的にも同居する見込みがないことが明らかである
ご質問のケースでは、
- 夫は病院に入院中
- 妻は飲食店に住み込み勤務
- 退院後も妻の住み込み先に同居できない
という事情だけでは、まだ夫婦関係が継続しているため、通常は同一世帯として判断される可能性が高いです。
しかし、
- 退院後は夫が別の住宅に居住することが決まっている
- 妻も住み込み先で生活を続ける予定である
- 生活費の管理も別々である
などの事情があれば、福祉事務所が「実質的に別世帯」と認定する余地があります。
わかりやすく言うと
「一緒に住めない」だけでは別世帯になりません。
しかし、
「今後も一緒に住む予定がなく、それぞれ独立して生活していくことが明らか」
であれば、別世帯として扱われる可能性があります。
生活保護の実務では、単なる住所の違いではなく、
「将来にわたって生計を一つにしているか」
が重要な判断基準になります。
したがって、この事例では、夫婦関係の状況や退院後の生活計画を詳しく確認したうえで、福祉事務所が世帯認定を行うことになります。
(A2)この場合、妻が夫に定期的に生活費を仕送りしていても、それだけで夫婦が同じ居住地にいるとは認定されません。
生活保護では、夫婦が別々の場所で生活している場合、
- 実際にどこで生活しているか
- 生活の本拠がどこにあるか
- 別居が一時的か長期的か
- 生計がどの程度一体か
などを総合的に判断します。
わかりやすい例
例①
- 夫:A市の病院に長期入院
- 妻:B市の飲食店に住み込み勤務
- 妻が毎月夫へ5万円仕送り
この場合でも、
- 夫の居住地 → A市
- 妻の居住地 → B市
と認定されるのが通常です。
仕送りがあっても、夫婦が現実に別々の場所で生活しているためです。
生活保護の実施責任
夫婦が別居している場合は、それぞれの居住地を管轄する福祉事務所が実施責任を負うことになります。
上記の例では、
- 夫についてはA市の福祉事務所
- 妻についてはB市の福祉事務所
が担当することになります。
ただし、夫婦は民法上の扶養義務がありますので、生活保護の審査では妻から夫への仕送り額や援助可能性は調査されます。
試験・実務向けの要点
妻が夫に仕送りをしていても、夫婦が現実に別々の場所で生活している場合は、それぞれの生活の本拠地が居住地として認定される。仕送りの事実は扶養能力の判断材料となるが、居住地認定を左右する決定的な要素ではない。
このように理解すると分かりやすいです。
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