(Q)出身世帯の移転に関する実施責任について
夫婦と子からなる世帯があり、夫が入院した場合、どの市の実施機関が保護の実施責任を負うことになりますか?
(A)夫が入院し、妻と子が別の市へ転居した場合、夫が入院後も妻子の世帯を「出身世帯」として扱われるのであれば、妻と子が転居した先の市を管轄する福祉事務所が、夫についても保護の実施責任を負うのが原則です。
つまり、夫が入院している病院の所在地ではなく、原則として妻と子が現在生活している市が担当します。
具体例
- 入院前:夫・妻・子が神戸市に居住
- 夫:明石市内の病院に入院
- 妻と子:姫路市へ転居
この場合、夫が入院のため世帯分離されていても、妻子との世帯関係が継続していると認められるなら、
- 妻と子の保護実施機関:姫路市
- 入院中の夫の保護実施機関:原則として姫路市
となります。
厚生労働省の取扱いでも、世帯分離された入院患者については、出身世帯の居住地を本人の居住地として認定し、出身世帯が移転した場合も移転先を居住地として扱うとされています。
なぜ病院所在地の市ではないのか
入院は通常、一時的な療養の場所であり、病院が本人の生活の本拠になるとは限りません。そのため、家族との世帯関係や退院後の帰来先が残っている場合は、出身世帯の居住地を基準に実施責任を決めます。
生活保護法上、保護の実施責任は基本的に本人の「居住地」を管轄する実施機関が負います。居住地がない場合には「現在地」が基準になりますが、出身世帯との関係が維持されている入院患者については、直ちに病院所在地を現在地として扱うわけではありません。
例外
次のような場合は、病院所在地の市が担当する可能性があります。
- 夫が単身者で、入院前の住居がなくなった
- 妻子との世帯関係が実質的に解消している
- 離婚や長期の別居などにより、退院後に妻子のもとへ戻る予定がない
- 出身世帯自体が消滅して、ほかに居住地と認められる場所がない
このように居住地が認定できない場合は、夫の「現在地」である病院所在地を管轄する福祉事務所が、原則として実施責任を負います。
まとめると、夫が妻子の世帯から入院によって一時的に離れているだけであれば、妻子の転居に伴って、夫の保護の実施責任も転居先の市へ移るという考え方です。
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