(Q)父名義だった駐車場について、父の死亡後、兄が相続登記を行い、その上で自分の持分を伯父へ譲渡してしまいました。
現在、相続人は母・兄・私(弟)の3人で、駐車場が共有状態になっています。
この駐車場をどのように遺産分割したら良いのか悩んでいます。
(A)■現状整理
- 駐車場はもともと「お父様の単独名義」
- 相続人:母・兄・あなた(弟)の3人
- 兄が共同相続登記をした後、兄の共有持分を伯父へ譲渡
→ 伯父が共有者として登記上権利を持っている状況
つまり、**現在の共有者は「母・あなた・伯父」**となります。
※兄は自ら持分を売却しているため、現在は相続財産についての権利を持っていません。
■遺産分割の基本的な考え方
遺産分割は、遺産の全部について相続人間で行う協議が必要です。
しかし今回は、兄が既に持分を第三者(伯父)へ譲渡しているため、
伯父を含めずに相続人のみで協議しても不完全となります。
■解決のための主な方法
① 伯父に売買を取り消して返してもらう
- 理想的ではありますが、伯父の協力が必要
- 兄が勝手に売却した事情によっては、無効・取消を主張できる余地あり
(例:遺産分割前の処分は無権限であり、共同相続人からの同意がない場合)
② 伯父を含めて共有物を分割する
伯父が共有者となった事実を前提に整理する方法です:
| 方法 | 内容 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 現物分割 | 土地を分筆して持分どおり使用 | 実物を確保 | 分筆できない形状だと不可 |
| 代償分割 | 誰かが全体を取得し、他者へ代償金支払 | 使いやすい形にできる | 資金が必要 |
| 共有物分割請求(裁判) | 裁判所にて強制的に解決(競売・分筆など) | 強制力あり | 時間・費用がかかる |
※伯父も利害関係者のため、協議に参加してもらう必要があります。
■法的手段(場合により検討)
- 遺産分割前にした兄の処分(持分譲渡)を無効と主張
- 「遺産分割前の処分は他の相続人に対抗できない(民法909条)」として、
あなたと母が遺産分割協議により兄の持分を取得 → 伯父に対抗が可能になる可能性あり
→ 法律的争点が大きいため、専門家の助力が必要なポイントです
■今後の進め方(おすすめ)
- 兄の譲渡経緯・時期・内容を確認
- 伯父を含めた話し合いの場を調整
- 協議がまとまらなければ、
遺産分割調停 + 必要に応じて共有物分割請求
■まとめ
協議 → 調停 → 裁判の順で検討が一般的
兄の持分譲渡により、伯父が共有者として関与せざるを得ない
遺産分割と共有者間の問題をセットで解決する必要がある