(Q1)生活用品の中で、処分価値が小さいものについては保有が認められていますが、「処分価値が小さいか否か」を判断する基準はどのようなものですか?(Q2)生活用品の処分価値を判断する際、具体的にどのような点に注意すべきですか?

(A1)「処分価値が小さいか」は、簡単にいうと、

売っても生活費に充てられるほどの実益があるかどうか

で判断します。

つまり、品物の購入時の価格ではなく、現在売った場合にいくらになるかを見ます。

判断のポイント

1.中古品として実際に売れるか

まず、その品物に買い手がいるかを確認します。

例えば、古い家具、古い家電、一般的な衣類、使用済みの寝具などは、売却しようとしてもほとんど値段がつかないことがあります。

このようなものは、処分価値が小さいと判断されやすいです。

2.売却代金から費用を引く

仮に売れるとしても、次の費用がかかる場合があります。

  • 運搬費
  • 処分費
  • 仲介手数料
  • 査定費用
  • 梱包・発送費

売却代金より費用の方が高い、または手元にほとんど残らない場合は、処分価値は小さいと考えられます。

3.生活費として意味のある金額か

売却しても数百円から数千円程度にしかならない場合、生活保護上、あえて処分を求める実益は小さいと考えられます。

一方で、高級時計、宝石、ブランド品、美術品、高価な楽器など、売却すれば相当額になるものは、処分価値が小さいとはいえません。

4.日常生活に必要なものか

冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、布団、衣類など、最低生活に必要な生活用品は、仮に多少の中古価格があっても、通常は保有が認められます。

売却すると生活に支障が出るものまで、形式的に処分させるものではありません。

具体例

処分価値が小さいと判断されやすいもの

  • 古いテレビ
  • 古い冷蔵庫・洗濯機
  • 一般的な衣類
  • 中古の家具
  • 古いスマートフォン
  • 日用品、食器、寝具
  • 一般的な本や趣味用品

処分価値が小さいとはいえないもの

  • 高級腕時計
  • 宝石、貴金属
  • ブランドバッグ
  • 高額な美術品・骨董品
  • 希少価値のある楽器
  • 高額で売却できるコレクション品

まとめ

「処分価値が小さいか」は、

今売った場合の金額
− 売るための費用
= 実際に生活費として使える金額

で考えます。

売っても手元にほとんど残らない物や、日常生活に必要な物は、原則として保有が認められます。反対に、生活に必須でなく、売却すれば相当額になる物は、資産として活用を求められる可能性があります。

(A2)生活用品の処分価値を判断するときは、**「買ったときの値段」ではなく、「今売ったら実際にいくらになるか」**を基準に考えます。

また、単に売れるかどうかだけではなく、売却することで本当に生活の改善につながるかも重要な判断ポイントです。

厚生労働省の生活保護実施要領でも、生活用品のうち処分価値が小さいものは保有を認めることとされています。(mhlw.go.jp)


注意すべきポイント

① 購入価格ではなく「現在の売却価格」で判断する

最も重要なのは、購入時の価格ではありません。

例えば、

  • 30万円で購入したテレビでも、10年経過して中古価格が5,000円なら、処分価値は小さいと考えられます。
  • 反対に、20万円で購入したブランドバッグが現在も15万円で売れるなら、処分価値は大きいと判断されます。

つまり、現在の市場価値で判断します。


② 売却費用を差し引いて考える

売却には、次のような費用がかかることがあります。

  • 運搬費
  • 配送料
  • 仲介手数料
  • 梱包費
  • 査定費

例えば、

  • 売却価格:8,000円
  • 運搬費:6,000円

であれば、実際に残るのは2,000円程度です。

このような場合は、処分価値は小さいと判断されやすくなります。


③ 日常生活に必要な物かを確認する

生活保護は最低生活を保障する制度です。

そのため、

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 炊飯器
  • 電子レンジ
  • 布団
  • 衣類
  • テーブル
  • エアコン(地域や健康状態による)

など、生活に欠かせないものは、多少の中古価値があっても、通常は保有が認められます。


④ 高額で売れる物は資産として考える

次のような物は、生活用品というより資産として扱われることがあります。

  • 高級腕時計
  • 宝石・貴金属
  • ブランドバッグ
  • 高価な美術品
  • 骨董品
  • 希少価値のあるコレクション

これらは売却するとまとまったお金になる可能性があるため、資産活用を求められることがあります。


⑤ 数量が適正かを確認する

生活用品は必要な数量であれば保有できます。

しかし、

  • 冷蔵庫が3台ある
  • テレビが5台ある
  • 新品の家電を大量に保管している

など、明らかに必要以上であれば、余分な物について処分を求められることがあります。


⑥ 地域の一般的な生活水準も考慮する

生活用品の保有は、

  • 地域の一般家庭で普通に使用されているか
  • 社会通念上、最低生活に必要なものか

も参考に判断されます。

現在では、冷蔵庫や洗濯機、スマートフォンなどは、一般的な生活を送るために必要なものとして認められることが多くなっています。


具体例

処分を求められにくいもの

  • 10年前の冷蔵庫
  • 古い洗濯機
  • 一般的な家具
  • 普段使いの衣類
  • 学習用パソコン
  • 一般的なテレビ

処分を求められる可能性があるもの

  • 100万円以上する腕時計
  • 高級ブランドバッグを多数所有
  • 高価な絵画や骨董品
  • 金・プラチナ製品
  • 高額な収集品

まとめ

生活用品の処分価値を判断するときは、次の点に注意します。

  • 購入価格ではなく、現在の中古市場での価値を見る。
  • 売却費用を差し引いた後でも生活費として活用できるかを確認する。
  • 最低生活に必要な生活用品は、原則として保有が認められる。
  • 高額で売却できる物や必要以上に所有している物は、資産として処分を求められることがある。
  • 世帯の人数や生活状況、地域の一般的な生活水準も考慮して総合的に判断する。

つまり、生活用品の処分価値は、「今売ればいくらになるか」と「売ることで本当に生活保護制度の目的にかなうか」を総合的に判断することが重要です。

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