(Q1)扶養義務者の扶養程度について、どのような判断基準が設けられていますか?(Q2)扶養義務の程度を判断する際、具体的な基準や指標は存在しますか?
(A1)扶養義務者の扶養程度は、「どれだけ援助できるか」を生活状況に応じて判断するための基準が設けられています。
具体的には、扶養義務者との関係によって基準が異なります。
① 配偶者や親子などの「生活保持義務関係」の場合
扶養の程度は、
扶養義務者の最低生活費を超える部分
を基準に判断します。
つまり、自分や自分の家族が最低限の生活を維持したうえで、余裕がある分について扶養することが期待されます。
② 兄弟姉妹や相対的扶養義務者などの「生活扶助義務関係」の場合
扶養の程度は、
社会通念上、その人にふさわしい生活を損なわない範囲
とされています。
つまり、自分の生活を無理に切り詰めてまで援助する必要はなく、生活に支障のない範囲で援助できればよいという考え方です。
判断する際の注意点
扶養の程度を決めるときは、次のような事情も総合的に考慮します。
- 扶養義務者の収入や資産
- 家族構成
- 世帯内での立場(生計中心者かどうかなど)
- 現在の生活状況
- 継続して援助できるかどうか
これらを踏まえて、実際にどの程度の援助が可能かを個別に判断します。
わかりやすくまとめると
- 親子・配偶者など → 自分の最低生活費を超える余裕の範囲で扶養することが期待されます。
- 兄弟姉妹や相対的扶養義務者など → 自分の生活を無理なく維持できる範囲で援助すればよいとされています。
つまり、扶養義務者に生活を犠牲にしてまで援助を求める制度ではなく、その人の生活状況や扶養能力に応じて、無理のない範囲で扶養の程度を判断する仕組みになっています。
(A2)1.配偶者や、親と未成熟の子の場合
夫婦や、親が未成熟の子を扶養する関係は、生活保持義務関係と呼ばれます。
この場合の扶養程度は、原則として、
扶養義務者本人の最低生活費を超える部分
を基準に判断します。
つまり、扶養義務者自身の最低限度の生活を確保したうえで、なお余裕がある部分について、扶養可能額を検討します。
2.成人した親子、祖父母・孫、兄弟姉妹などの場合
これらは一般に生活扶助義務関係として扱われます。
この場合は、
扶養義務者にふさわしいと社会通念上認められる生活を損なわない範囲
で扶養の程度を判断します。
自分や家族の生活を大きく切り詰めたり、生活水準を著しく低下させたりしてまで援助を求めるものではありません。
3.実際に確認される主な指標
福祉事務所は、主に次の事情を総合的に確認します。
- 給与、年金、事業収入などの収入
- 預貯金、不動産などの資産
- 配偶者や子どもなど、扶養義務者自身の世帯構成
- 家賃、住宅ローン、医療費、教育費などの必要支出
- 他の親族に対する扶養の履行状況
- 扶養義務者が世帯の生計中心者であるか
- すでに金銭援助や引取り扶養をしているか
実施要領でも、扶養義務者の世帯構成、職業、収入、課税所得、社会保険加入状況、他の扶養履行状況などを把握することとされています。
なお、生活扶助義務関係にある給与所得者については、特に多額の資産がないなどの場合、所得税が課されない程度の収入であれば、扶養能力がないものとして扱って差し支えないとされています。
まとめ
扶養義務の程度は、次のように判断します。
- 夫婦・親と未成熟の子
→ 扶養義務者の最低生活費を超える余裕部分が基準 - 成人した親子・兄弟姉妹など
→ 扶養義務者自身の相応の生活を損なわない範囲
したがって、収入だけで機械的に決めるのではなく、資産、家族構成、必要支出、既存の扶養負担などを含めて個別に判断するということです。また、親族から扶養が受けられないことだけを理由に、生活保護を申請できないわけではありません。
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