(Q1)長期間扶養されていたが、これ以上扶養を継続してもらうことは扶養義務者に対して道義上できないと本人が申し立てている場合、本人の意思を尊重し、直ちに保護してよいのでしょうか?(Q2)過去に交流があったが、最近になって感情的な対立が生じ、本人が「扶養義務者の扶養を受けるくらいなら死んだ方がよい」と申し立てている場合、本人の意思を尊重し、直ちに保護してよいのでしょうか?
(A1)本人が「これ以上扶養してもらうのは申し訳ない」と申し立てているだけで、直ちに生活保護を開始してよいわけではありません。
わかりやすく言うと、
- 扶養義務者(親や子など)が実際に扶養できるかどうかを確認することが必要です。
- 本人が遠慮して扶養を断っているだけで、扶養義務者に扶養能力があり、扶養する意思もある場合は、その扶養を活用することが原則です。
- 一方で、扶養義務者に経済的な余裕がない、または扶養の継続が現実的に困難であることが確認できれば、生活保護の要件を満たすかどうかを判断し、保護を開始します。
ポイント
本人の気持ちは尊重しつつも、扶養義務者の扶養能力や扶養意思などを調査し、その結果を踏まえて生活保護の要否を判断することになります。
本人の「遠慮」だけを理由に、直ちに保護を開始することはできません。
(A2)本人の安全確保が最優先です。
「扶養を受けるくらいなら死んだ方がよい」という発言がある場合は、自殺のおそれを確認し、必要に応じて医療機関や関係機関につなぐとともに、生活に困窮していれば扶養照会の結果を待たずに保護の要否を判断します。
ただし、本人の申立てだけで一律に扶養義務者との関係が断絶していると判断するのではなく、対立の経緯や連絡による危険性などを丁寧に確認します。扶養照会が本人の生命・心身に重大な悪影響を及ぼすおそれがある場合は、照会しない取扱いも検討します。
つまり、**「本人の意思だけで直ちに保護」ではなく、「安全と困窮状況を優先して保護を判断し、扶養照会は別途慎重に判断する」**ということです。なお、親族の扶養は生活保護を受けるための前提条件ではありません。
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