(Q1)重点的扶養能力調査対象者以外の扶養義務者に対しても、扶養能力調査を実施する必要がありますか?(Q2)扶養能力調査を行う際、どのような手続きや基準に基づいて調査を進めるべきですか?
(A1)重点的扶養能力調査対象者以外であっても、「扶養の可能性が期待される扶養義務者」には扶養能力調査が必要です。
ただし、調査方法は異なります。
- 重点的扶養能力調査対象者:実地調査などにより、収入・資産・生活状況を詳しく調査します。
- それ以外で扶養が期待できる者:原則として書面で照会し、必要に応じて電話などで確認します。
一方、著しい関係悪化、長期間の音信不通、虐待などにより、扶養義務の履行が期待できないと判断される者には、原則として扶養照会を行いません。
つまり、「重点調査の対象外=調査不要」ではなく、扶養の可能性があるかどうかで判断し、可能性がある場合は簡易な方法で調査するということです。
(A2)扶養能力調査は、次の手順で進めます。
- 扶養義務者を確認する
本人から家族関係を聞き取り、必要に応じて戸籍などで、親・子・兄弟姉妹等の所在を確認します。 - 扶養が期待できるかを判断する
扶養義務者の職業、収入、健康状態、家族構成、本人との交流状況などを聞き取ります。虐待、著しい関係悪化、長期間の音信不通などがあり、扶養の履行が期待できない場合は、原則として扶養照会を行いません。 - 対象に応じた方法で調査する
重点的扶養能力調査対象者が福祉事務所の管内に住んでいる場合は、原則として訪問して実地調査します。管外の場合は、回答期限を設けた書面照会を行い、回答がなければ再照会や居住地の福祉事務所への調査依頼を行います。その他の扶養が期待できる者には、原則として書面または電話で照会します。 - 具体的な扶養能力を判断する
単に収入額だけでなく、扶養義務者自身の生活費、税金、社会保険料、住宅費、医療費、養育費、負債などを考慮し、無理なく援助できる金額や、金銭以外の支援が可能かを個別に判断します。 - 調査内容を記録する
照会への回答、電話での聴取内容、援助可能額、援助できない理由などをケース記録に残します。金銭的援助が得られる場合は、援助内容を原則として書面で確認します。
なお、扶養義務者から回答がないことや、扶養が受けられないことだけを理由に、生活保護の申請を拒否したり、決定を遅らせたりすることはできません。扶養は保護に優先しますが、扶養を受けること自体が保護開始の条件ではありません。
要するに、家族であるという理由だけで一律に援助を求めるのではなく、関係性や生活実態、経済状況を確認し、援助が現実に可能かを個別に判断することが基本です。
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