(Q3)必要に応じて検診命令を適用することは可能ですか?(参考:文書では「必要に応じて検診命令を適用することも考えられる」と記載されています)(Q4)保健師、助産師、看護師の業務範囲について、医師の指示がない場合にできない行為は何ですか?(参考:保健師助産師看護師法第37条の抜粋が記載されています)
(A3)はい、妊娠の事実や妊娠月数を確認するために必要がある場合は、生活保護法第28条による検診命令を適用することが可能です。
ただし、最初から検診命令を出すのではなく、通常は次の順序で対応します。
通常の手続
まず、本人に対して、
- 福祉事務所へ妊娠を届け出る
- 速やかに母子健康手帳の交付を受ける
- 母子健康手帳を福祉事務所に提示する
- 必要に応じて、実施機関が指定する医師または助産師の診断を受ける
よう説明・案内します。
母子健康手帳や本人の協力によって妊娠月数などを確認できれば、通常、検診命令まで行う必要はありません。
検診命令が考えられる場合
例えば、次のような場合です。
- 本人が母子健康手帳を提示せず、妊娠月数を確認できない
- 妊娠しているとの届出はあるが、医学的な確認資料がない
- 母子健康手帳の記載と本人の申告が一致しない
- 妊産婦加算を適用すべき期間や区分を判断できない
- 任意の受診を案内しても、正当な理由なく受診しない
このように、保護の変更や妊産婦加算の認定に必要な事実を、ほかの方法では確認できない場合に検診命令を検討します。
生活保護法第28条では、保護の実施機関は、保護の決定または実施のため必要があるとき、要保護者に対し、指定する医師または歯科医師の検診を受けるよう命じることができるとされています。妊娠の確認であれば、通常は指定する医師による検診となります。
「指定助産師の診断」と検診命令の違い
妊娠や妊娠月数の通常の認定資料としては、実施機関が指定する医師または助産師の診断を利用できます。
一方、生活保護法第28条に基づく正式な「検診命令」は、法律上、指定する医師または歯科医師の検診とされています。そのため、妊娠確認のために第28条の検診命令を出す場合は、原則として指定医師の検診を命じることになります。
命令を出す際の手続
福祉事務所は、原則として本人に検診命令書を直接交付し、
- なぜ検診が必要なのか
- どの医師・医療機関で受けるのか
- いつまでに受けるのか
- 従わない場合にどのような取扱いがあり得るのか
を詳しく説明する必要があります。実施要領でも、検診命令について十分に説明し、従わない場合には申請の却下や保護の変更・停止・廃止があり得ることを伝えるよう定められています。
ただし、検診を受けなかったからといって、直ちに生活保護全体を廃止するものではありません。受診できない事情、体調、交通手段、指定医療機関との調整状況などを確認し、必要性や相当性を慎重に判断する必要があります。
まとめると、まず母子健康手帳の取得・提示や任意の受診を求め、それでも妊娠や妊娠月数を確認できず、保護の決定・変更に必要な場合に、指定医師への検診命令を適用できるという意味です。
(A4)保健師・助産師・看護師・准看護師は、原則として、主治の医師または歯科医師の指示がなければ、医療上の危険を伴う診療補助行為を行うことができません。
保健師助産師看護師法第37条では、医師・歯科医師の指示がない場合、主に次の行為をしてはならないと定めています。
医師等の指示がなければできない行為
1.診療機械を使用すること
例えば、治療や診断のための医療機器を使用する行為です。
ただし、体温計や血圧計を使った日常的な観察など、直ちにすべての機器使用が禁止されるという意味ではありません。具体的には、その行為が「診療の補助」に当たり、衛生上の危害を生じるおそれがあるかによって判断されます。
2.医薬品を患者に与えること
例えば、注射、点滴、処方薬の投与などです。
医師等から投与する薬剤、量、方法、時期などの指示を受けずに、看護師等が自己判断で薬を投与することはできません。
3.医薬品について指示すること
例えば、患者に対して自己判断で、
- この薬を飲んでください
- 薬の量を増やしてください
- この薬を中止してください
などと指示することです。
医薬品の処方や投与内容の決定は、原則として医師・歯科医師の業務です。
4.その他、医師・歯科医師が行わなければ危険が生じるおそれのある行為
例えば、自己判断による診断、治療方針の決定、手術その他の侵襲的な処置などが該当します。
医師の指示がなくてもできる例外
第37条には、次の例外があります。
- 緊急時の応急手当
- 助産師がへその緒を切る行為
- 助産師が浣腸をする行為
- その他、助産師業務に当然付随する行為
これらについては、医師等の指示がなくても行える場合があります。
妊娠の認定との関係
保健師や看護師は、妊婦への相談、健康状態の観察、受診勧奨、保健指導などを行えます。
しかし、**妊娠しているかどうかや妊娠月数を医学的に診断することは、保健師・看護師の業務には含まれません。**そのため、保健師や看護師が本人の話や外見などから妊娠・妊娠月数を独自に判断し、正式な診断として証明することはできません。
一方、助産師は、正常な妊娠・出産・産後に関する助産業務を行う資格があるため、生活保護の妊産婦加算では、実施機関が指定した助産師の診断を認定資料として使用できる取扱いになっています。
つまり、第37条の趣旨は、保健師・助産師・看護師が、資格上認められた業務を超えて、医師の指示なしに危険を伴う医療行為を行ってはならないということです。
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