(Q1)重度障害者支援加算の初期加算について、どのような条件で算定できますか?例:共同生活援助において、重度障害者支援加算の算定を開始した日から起算して180日以内の期間に算定される初期加算が新設されたとありますが、具体的な適用条件を教えてください。
(A1)共同生活援助の重度障害者支援加算における「初期加算」は、対象となる利用者について、事業所が重度障害者支援加算の算定を開始した日から180日以内に、初期のアセスメントや環境調整などの専門的な支援を行った場合に算定できます。
単に「グループホームへ新しく入居した」というだけでは算定できず、まず通常の重度障害者支援加算(Ⅰ)または(Ⅱ)の要件を満たしていることが前提です。令和6年度改定では、利用者が新しい生活環境に適応するための初期アセスメント等を評価する趣旨で新設されました。
主な算定条件
次の条件をすべて確認します。
1.利用者が重度障害者支援加算の対象者であること
利用者が、障害支援区分や行動関連項目など、重度障害者支援加算(Ⅰ)または(Ⅱ)の対象要件を満たしている必要があります。
例えば、強度行動障害のある利用者について、受給者証等で「重度障害者支援加算対象者」「行動関連項目10点以上」などの該当状況を確認します。必要な記載が受給者証にない場合は、市町村に確認することとされています。
2.事業所が通常の重度障害者支援加算の体制要件を満たすこと
一般的には、次のような体制が必要です。
- 強度行動障害支援者養成研修の実践研修修了者等が、利用者の特性をアセスメントする
- アセスメントに基づいて、支援計画シート等を作成する
- 基礎研修修了者等が、その支援計画シート等に基づいて実際に支援する
- 支援内容、利用者の状態、見直し内容などを記録する
- 必要な加算届を指定権者へ提出している
したがって、研修修了者を配置しただけでは足りず、利用者ごとの計画に基づく具体的な支援と記録が必要です。
3.初期に必要なアセスメント等を実施すること
初期加算は、利用者の状態や生活環境の変化に適応するための、初期段階の支援を評価するものです。
具体的には、次のような取組が想定されます。
- 本人の障害特性、行動の背景、意思表示の方法などの把握
- 苦手な音、場所、人間関係、生活場面等の確認
- 食事、入浴、睡眠、外出などの生活状況の確認
- 不安や混乱が生じる場面の分析
- 居室、共有スペース、生活時間等の環境調整
- 本人に分かりやすいスケジュールやコミュニケーション方法の検討
- 支援計画シート等の作成・見直し
- 職員間での支援方法の統一
「初期加算」という名称ですが、別に特別なサービスを1回実施すればよいというものではなく、初期の状態把握と支援方法の確立に通常以上の専門的支援を行うことを評価する加算です。
180日の数え方
起算日は、原則としてその利用者について、当該事業所が重度障害者支援加算の算定を開始した日です。
例えば、2026年4月1日に算定を開始した場合は、4月1日を含めて180日以内の期間が対象です。
これは「実際に利用した日を180日分数える」という意味ではなく、原則として、算定開始日から暦日で180日間の期間を数える考え方です。その期間中に、利用者が共同生活援助を利用し、重度障害者支援加算の要件を満たす支援を行った日について算定します。
算定単位
令和6年度改定では、共同生活援助について、通常の重度障害者支援加算に加えて、初期期間の評価が設けられています。
- 重度障害者支援加算(Ⅰ)の初期部分:1日につき400単位
- 重度障害者支援加算(Ⅱ)の初期部分:1日につき500単位
該当する区分によって単位数が異なります。行動関連項目18点以上の利用者に対する追加評価については、別途、中核的人材や支援計画等の要件があります。
同じ利用者に何度も算定できるか
同一利用者について、同一事業所では1度だけです。
厚生労働省Q&Aでは、過去にその事業所で重度障害者支援加算を算定していた利用者が一度退所し、後日、同じ事業所へ再入居した場合でも、再度の初期加算は算定できないと示されています。
したがって、次のようになります。
| ケース | 初期加算 |
|---|---|
| 初めて重度障害者支援加算の算定を開始する | 180日以内で算定可能 |
| 180日経過後も同じ事業所を継続利用 | 算定不可 |
| 一度退所し、同じ事業所に再入居 | 原則として再算定不可 |
| 別の事業所へ移り、そこで初めて算定を開始 | 新事業所で要件確認が必要 |
令和6年4月以前から算定していた場合
令和6年4月1日時点ですでに重度障害者支援加算を算定していた利用者については、次の取扱いです。
- 2024年3月31日までに算定開始から180日を経過していた場合
→ 初期加算は算定できません。 - 2024年3月31日時点で180日を経過していなかった場合
→ 残っている期間だけ算定できます。
厚生労働省は、残りの期間を「180日-算定開始日から2024年3月31日までの日数」とする考え方を示しています。
実務上のチェックポイント
算定前には、最低限、次の点を確認してください。
- 利用者が重度障害者支援加算の対象者として支給決定されているか
- 事業所の加算届が受理され、算定開始日が確定しているか
- 必要な研修修了者が配置されているか
- アセスメントと支援計画シート等が作成されているか
- 計画に基づく支援を、要件を満たす職員が行っているか
- 日々の支援内容や環境調整、計画の見直しを記録しているか
- 算定開始日から180日を超えていないか
- 同じ事業所で過去に初期加算を算定していないか
つまり、分かりやすく言えば、重度障害者支援加算の対象となる利用者を受け入れ、専門研修を修了した職員等が初期アセスメントを行い、個別の支援計画に基づく支援を実施した場合に、算定開始から180日以内に限って上乗せできる加算です。
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