(Q)介護人をつける場合、居宅に限って認められるのでしょうか?それとも病院やその他の介護設備を有する施設にいる場合でも認められるのでしょうか?
(A)結論として、生活保護の**「介護人をつけるための費用(他人介護料)」は、制度上、居宅だけに限定されているとは明記されていません**。
ただし、病院や介護設備・職員を備えた施設では、通常は病院・施設側が必要な看護や介護を提供することになっているため、別に個人の介護人をつける必要性があるかが厳しく判断されます。
1.居宅の場合
自宅で生活しており、重い障害によって日常生活に他人の介護が必要で、介護人に実際に費用を支払う必要がある場合は、他人介護料が認められる可能性があります。
生活保護の基準では、障害者加算の対象者について「介護人をつけるための費用を要する場合」に、一定の限度額内で必要額を算定するとされています。現在の通常基準額は、月額75,820円の範囲内です。さらに、障害が重く、日常起居動作に著しい障害があり、通常額では足りない場合には、特別基準が検討されることもあります。
2.病院に入院している場合
入院中だから絶対に認められない、という一律の規定ではありません。
しかし、病院への入院には、療養に伴う世話や看護が含まれており、医療扶助でも入院中の看護等が給付対象とされています。したがって、食事、移動、排せつ、着替えなど通常の入院看護で対応できる内容について、別途、生活保護費から個人の付き添い介護人を雇うことは、一般には認められにくいと考えられます。
ただし、例えば次のような特別な事情があり、病院では対応できないことが具体的に確認された場合は、個別に検討される余地があります。
- 障害のため、通常の病院看護だけでは安全を確保できない
- 意思疎通に特別な支援が必要である
- 義手訓練の際に、病院職員とは別の介助が医学的に必要である
- 医師が、個別の介護人による支援が不可欠と判断している
- 病院側が提供できる看護・介護の範囲を超えている
この場合でも、本人の希望だけではなく、主治医の意見、病院側の看護体制、必要な介護内容、時間数、費用などを基に福祉事務所が判断します。
3.介護施設・障害者支援施設などの場合
施設入所中も、制度上は障害者加算について「入院患者又は社会福祉施設若しくは介護施設の入所者」という区分が設けられています。したがって、入院・入所していることだけで、すべての障害者加算が当然に対象外になるわけではありません。
ただし、施設には本来、必要な介護を提供する職員が配置されています。そのため、
施設の職員による介護では不足するから、別の有料介護人をつける必要がある
ということが客観的に認められなければ、他人介護料は認められにくいです。
特に、介護保険施設、障害者支援施設、医療機関などでは、まず次の制度・サービスが優先されます。
- 病院の看護・介助
- 施設職員による介護
- 介護保険サービス
- 障害福祉サービス
- 医療保険・医療扶助によるサービス
生活保護は、他の制度や給付で対応できない部分を補う制度であるため、施設側の介護で対応できる場合に、同じ内容の介護費を重ねて支給することは原則として困難です。介護保険の給付を受けられる場合は介護保険が優先し、その自己負担部分などが介護扶助の対象となります。
今回の義手訓練入院の場合
愛媛県の病院で義手訓練を受けるケースでは、次のように福山市のケースワーカーへ相談してください。
義手訓練中、食事、排せつ、着替え、移動、入浴、義手の着脱などに介助が必要です。病院が対応できる介助の範囲と、対応できない部分を確認した上で、介護人の費用が生活保護の他人介護料として認められるか検討してください。
病院にも、次の点を書面で確認してもらうと判断材料になります。
- どの動作に介助が必要か
- 1日に何時間・何回必要か
- 病院職員で対応できる内容
- 病院職員では対応できない内容
- 個別の介護人が医学的・訓練上必要か
- 家族の付き添いではなく、有料介護人が必要な理由
まとめると、居宅に限定されるわけではありませんが、病院や介護設備を持つ施設では、まず病院・施設の看護や介護を利用するのが原則です。それでも不足し、別の介護人が真に必要と認められる場合に限って、個別に支給が検討されます。
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