(Q1)就労継続支援B型事業所の平均工賃月額はどのように算定されますか?(Q2)前年度の工賃支払総額や利用者数、開所日数はどのように集計すればよいですか?
(A1)結論
就労継続支援B型事業所の平均工賃月額は、前年度の実績を使って、次の式で算定します。
前年度の年間工賃支払総額
÷ 前年度の開所日1日当たりの平均利用者数
÷ 12か月
「利用者一人ひとりの月額工賃を足して人数で割る」のではなく、年間の工賃総額と、1日当たりの平均利用者数を使うのがポイントです。
算定の流れ
① 年間工賃支払総額を出す
前年度の4月から翌年3月までに、利用者へ支払った工賃をすべて合計します。
工賃には、名称にかかわらず、利用者へ支払った次のようなものが含まれます。
- 工賃
- 手当
- 賞与
- その他、生産活動により利用者へ支払った金銭
② 年間延べ利用者数を出す
各開所日に実際に利用した人数を合計します。
例えば、
- 1日目:18人
- 2日目:20人
- 3日目:19人
であれば、延べ利用者数は57人です。
③ 1日当たりの平均利用者数を出す
次のように計算します。
年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数
例えば、
- 年間延べ利用者数:4,000人
- 年間開所日数:200日
の場合は、
4,000人 ÷ 200日 = 20人
となります。
④ 平均工賃月額を出す
例えば、
- 年間工賃支払総額:700万円
- 1日当たり平均利用者数:20人
の場合は、
700万円 ÷ 20人 ÷ 12か月
= 約2万9,167円
したがって、平均工賃月額は約2万9,167円です。
算定式をまとめると
平均工賃月額
= 年間工賃支払総額
÷(年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数)
÷ 12か月
厚生労働省は、障害特性などにより利用日数が少ない利用者を多く受け入れる事業所にも配慮するため、令和6年度から、この「1日当たりの平均利用者数」を使う計算方法に見直しました。
注意点
平均工賃月額を算定するときは、次の資料を保存しておくことが重要です。
- 月ごとの工賃支払台帳
- 工賃の振込記録や受領書
- 日々の利用実績記録
- 年間開所日数が確認できる書類
- 計算根拠を記載した集計表
また、この平均工賃月額は、平均工賃月額に応じた報酬体系を選択しているB型事業所では、翌年度の基本報酬区分を決める基準として使われます。令和8年6月からは報酬区分の基準額が見直されていますが、平均工賃月額そのものの基本的な算定式は上記のとおりです。
まとめ
わかりやすく言うと、
1年間に支払った工賃の総額を、その事業所を1日に平均何人が利用したかで割り、さらに12か月で割る
ことで、平均工賃月額を算定します。
(A2)結論
前年度の工賃支払総額・利用者数・開所日数は、前年度(4月1日~翌年3月31日)の実績を集計して算定します。
つまり、
- 工賃支払総額 … 1年間に利用者へ支払った工賃の合計
- 利用者数 … 毎日の利用人数を合計した「延べ利用者数」
- 開所日数 … 実際に事業所を開所した日数
を集計します。厚生労働省の報酬算定では、この実績を基に平均工賃月額を算定します。
① 工賃支払総額の集計
1年間(4月~翌年3月)に利用者へ支払った工賃をすべて合計します。
対象となるものの例
- 工賃
- 作業手当
- 賞与(工賃として支払ったもの)
- 生産活動により利用者へ支払った金銭
例
| 月 | 工賃支払額 |
|---|---|
| 4月 | 580,000円 |
| 5月 | 600,000円 |
| … | … |
| 3月 | 620,000円 |
年間合計
7,200,000円
これが工賃支払総額になります。
② 利用者数(延べ利用者数)の集計
毎日、実際に利用した人数を記録し、その人数を1年間分合計します。
例
| 日 | 利用人数 |
|---|---|
| 4月1日 | 20人 |
| 4月2日 | 18人 |
| 4月3日 | 19人 |
3日間の延べ利用者数は
20+18+19=57人
これを1年間続けて集計します。
③ 開所日数の集計
開所日数とは、
実際にサービスを提供した日数
です。
例えば
- 月~金営業
- 土日休み
であれば、
年間約240日程度になります(祝日等により異なります)。
休業日や営業していない日は開所日数には含めません。
④ 1日当たり平均利用者数を計算
次の式で計算します。
年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数
例
- 延べ利用者数:4,800人
- 開所日数:240日
4,800 ÷ 240
=20人
これが1日当たり平均利用者数です。
⑤ 平均工賃月額を計算
最後に、
年間工賃支払総額 ÷ 平均利用者数 ÷ 12か月
で計算します。
例
- 工賃支払総額:7,200,000円
- 平均利用者数:20人
7,200,000円 ÷ 20人 ÷ 12か月
=30,000円
平均工賃月額は
30,000円
になります。
集計に使用する主な資料
集計するときは、次のような資料を使用します。
- 工賃支払台帳
- 会計帳簿
- 賃金・工賃の振込記録
- 利用実績記録票
- 出席簿
- サービス提供実績記録票
- 年間営業日(開所日)が分かる営業カレンダー
まとめ
前年度の実績は、次のように集計します。
- 工賃支払総額:前年度1年間に利用者へ支払った工賃の合計
- 利用者数:毎日の利用人数を合計した延べ利用者数
- 開所日数:実際にサービスを提供した営業日数
そして、
「延べ利用者数 ÷ 開所日数」で平均利用者数を求め、その平均利用者数を使って平均工賃月額を算定します。
このように年間の実績を基に集計することで、利用者の利用状況を適切に反映した平均工賃月額が算定されます。
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