(Q1)「賃金向上計画における『目標工賃額(平均工賃月額)』とは、事業所が3か年ごとに作成する賃金向上計画で定めた目標工賃額を指すのですか?」(Q2)「目標工賃達成加算の要件として、前年度に作成した賃金向上計画の目標工賃額は、どのような基準を満たす必要がありますか?」

(A1)結論

はい、そのとおりです。

「賃金向上計画(工賃向上計画)における『目標工賃額(平均工賃月額)』」とは、事業所が3か年ごとに作成する工賃向上計画に定めた目標工賃額を指します。これは厚生労働省のQ&Aで明確に示されています。


わかりやすく言うと

就労継続支援B型事業所では、都道府県の工賃向上計画に基づき、

  • 令和6年度
  • 令和7年度
  • 令和8年度

のように3年間の工賃向上計画を作成します。

この計画の中で、

「令和6年度は○○円」
「令和7年度は○○円」
「令和8年度は○○円」

という**目標工賃額(平均工賃月額)**を設定します。

この目標額が、Q&Aでいう**「目標工賃額(平均工賃月額)」**です。


具体例

例えば、事業所が次のような工賃向上計画を作成したとします。

年度目標工賃額(月額)
令和6年度22,000円
令和7年度24,000円
令和8年度26,000円

この場合、

  • 令和6年度の目標工賃額 → 22,000円
  • 令和7年度の目標工賃額 → 24,000円
  • 令和8年度の目標工賃額 → 26,000円

となります。

例えば令和7年度について目標工賃達成加算を確認する際は、工賃向上計画に記載した令和7年度の目標工賃額を用いて判定します。


なぜこの確認が必要なのか

目標工賃達成加算では、

  1. 工賃向上計画に設定した目標額が一定以上であること
  2. 実際の平均工賃月額が、その目標額以上になっていること

の両方を満たす必要があります。

つまり、

「計画だけ立てた」だけでは足りず、

計画で定めた目標を実際に達成したかが重要になります。


まとめ

ご質問の答えは、

「はい、そのとおりです。」

Q&Aでいう**「目標工賃額(平均工賃月額)」**とは、

事業所が3か年ごとに作成する工賃向上計画に定めた各年度の目標工賃額(平均工賃月額)

を指します。

そして、目標工賃達成加算では、この工賃向上計画に定めた目標額と、実際の平均工賃月額を比較して、加算の算定要件を満たしているかを確認します。

(A2)結論

目標工賃達成加算を算定するためには、工賃向上計画に定めた目標工賃額が、少なくとも次の基準額以上である必要があります。

前年度の事業所の平均工賃月額

全国平均工賃月額の増加額

厚生労働省Q&Aでは、次の式で確認するとされています。

目標工賃額 ≧ 前年度の事業所実績+全国平均工賃月額の増加額


全国平均工賃月額の増加額とは

全国平均工賃月額の増加額は、次のように計算します。

目標年度の2年度前の全国平均工賃月額

目標年度の3年度前の全国平均工賃月額

ただし、この差額がマイナスになった場合は、0円として計算します。

つまり、全国平均工賃が前年より下がっていても、事業所の目標額まで引き下げてよいわけではありません。


具体例

令和8年度を目標年度とし、次の実績だったとします。

  • 令和7年度の事業所平均工賃月額:20,000円
  • 令和6年度の全国平均工賃月額:24,000円
  • 令和5年度の全国平均工賃月額:23,500円

全国平均の増加額は、

24,000円-23,500円=500円

したがって、令和8年度の目標工賃額は、

20,000円+500円=20,500円以上

に設定する必要があります。

例えば、目標額を20,300円に設定した場合は、前年度実績より高くても、この基準を満たしません。


全国平均が下がった場合

例えば、

  • 前年度の事業所実績:20,000円
  • 2年度前の全国平均:23,000円
  • 3年度前の全国平均:23,500円

の場合、全国平均の差額は、

23,000円-23,500円=マイナス500円

ですが、マイナスは0円として扱います。

そのため、目標工賃額は、

20,000円+0円=20,000円以上

である必要があります。


目標額を設定するだけでは加算できない

目標工賃達成加算では、目標額の設定基準を満たすだけでなく、目標年度の実際の平均工賃月額が、その目標額以上になっていることも必要です。

確認する要件は、次の2つです。

要件1:目標額が基準以上であること

目標工賃額
≧ 前年度の事業所実績+全国平均の増加額

要件2:実績が目標額以上であること

目標年度の平均工賃月額
≧ 目標工賃額

この両方を満たす必要があります。


具体例で比較

  • 前年度の事業所実績:20,000円
  • 全国平均の増加額:500円
  • 計画上の目標額:20,500円
  • 目標年度の実績:20,700円

この場合、

  • 目標額20,500円は基準額20,500円以上
  • 実績20,700円は目標額20,500円以上

なので、目標額と実績に関する要件を満たします。

一方、実績が20,400円だった場合は、計画上の目標額を達成していないため、この要件を満たしません。


まとめ

前年度に作成した工賃向上計画の目標工賃額は、単に前年度より少し高く設定すればよいわけではありません。

前年度の事業所の平均工賃月額に、直近の全国平均工賃月額の増加額を加えた金額以上

に設定する必要があります。

さらに、実際の平均工賃月額が、その目標額以上になって初めて、目標達成の要件を満たします。

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