(Q1)転居時にルームエアコンの取り外しや設置にかかる費用は、荷造費や運搬費に含まれますか?(Q2)被保護者が転居する場合、荷造費や運搬費の範囲にはどのような費用が含まれますか?

(A1)結論

はい、含まれます。

生活保護で転居に伴って支給される荷造費・運搬費には、保有が認められているルームエアコンの「取り外し費用」と「設置費用(移設費用)」も含まれます。

なぜ含まれるのですか?

転居するときは、家具や家電を新しい住居へ運ぶ必要があります。

ルームエアコンは壁に固定されているため、運ぶには、

  • 取り外し工事
  • 運搬
  • 新居での設置工事

が必要になります。

そのため、厚生労働省の生活保護問答集(問7-51)では、

荷造費及び運搬費には、保有が認められたルームエアコンの取り外し及び設置に係る費用も含まれると解してよい。

とされています。

どのような場合が対象ですか?

例えば、

  • 福祉事務所が認めた転居である
  • 生活保護で保有が認められているルームエアコンである
  • エアコンを現在の住居から新居へ移設する

このような場合は、

  • エアコンの取り外し費用
  • 新居での設置費用

も、荷造費・運搬費の一部として認められます。

具体例

例えば、

  • 引越業者の運搬費:50,000円
  • エアコン取り外し費:8,000円
  • エアコン設置費:12,000円

であれば、取り外し費・設置費も含めて、転居に必要な荷造費・運搬費として取り扱われます。(必要性や金額は福祉事務所が確認します。)

注意点

  • 対象となるのは、保有が認められているルームエアコンです。
  • 新たにエアコンを購入する費用とは別の取扱いです。
  • 支給されるのは、必要最小限度の移設費用であり、事前に福祉事務所へ見積書を提出するよう求められることがあります。

まとめ

転居時のルームエアコンについては、

  • 取り外し費用
  • 新居での設置費用

の両方が、荷造費・運搬費に含まれます。

つまり、エアコンの移設に必要な工事費も、引越しに伴う運搬費用の一部として認められるということです。

(A2)結論

被保護者が福祉事務所の承認を受けて転居する場合、荷造費・運搬費として認められるのは、基本的に、

現在の住居にある家財道具を荷造りし、新しい住居まで運ぶために直接必要な費用

です。

支給額は定額ではなく、福祉事務所が事前に承認した必要最小限度の実費となります。

含まれる主な費用

一般には、次のような費用が対象になります。

1.荷造りに必要な費用

  • 段ボール箱
  • 梱包材
  • ガムテープ
  • 家具や家電の梱包作業料

ただし、自分で荷造りできる場合に、必要以上に高額な荷造りサービスを利用することまでは認められないことがあります。

2.家財道具の運搬費

  • 引越業者の運賃
  • トラック代
  • 作業員の費用
  • 家具・家電の搬出、積込み、搬入費
  • フェリーや貨物便など、転居先まで運ぶために必要な費用

家財の量や転居距離などに応じて、必要かつ合理的な範囲で判断されます。

3.大型家具・家電の移動に必要な作業費

例えば、

  • 冷蔵庫や洗濯機の搬出・搬入
  • ベッドやタンスの分解・組立て
  • 吊り上げ・吊り下げ作業

などです。

ただし、特殊作業が本当に必要かどうかを福祉事務所が確認します。

4.ルームエアコンの移設費

保有が認められているルームエアコンについては、

  • 現在の住居での取り外し費用
  • 新居への運搬費
  • 新居での設置費用

も、荷造費・運搬費に含まれます。

ただし、これは既に所有しているエアコンの移設費であり、新しいエアコンの購入費とは別です。

5.やむを得ない家財の保管・引取り費用

住居を失い、直ちに転居先へ家財を運べないなど、真にやむを得ない場合には、

  • 家財を保管場所へ運ぶ費用
  • 保管していた家財を新居へ引き取る費用

も対象になり得ます。

公式通知でも、転居の場合だけでなく、住居を失った被保護者が家財道具を他に保管し、後に引き取る場合について、事前承認した必要最小限度の荷造費・運搬費を認定できるとされています。

通常は荷造費・運搬費に含まれない費用

次のような費用は、原則として荷造費・運搬費そのものには含まれません。

  • 新しい家具・家電の購入費
  • 不用品の処分費
  • 粗大ごみの処理費
  • 旧居や新居の清掃費
  • ハウスクリーニング費
  • 原状回復費・修繕費
  • 敷金、礼金、仲介手数料
  • 火災保険料
  • 鍵交換費
  • インターネットや電話の移転工事費
  • ペットの輸送費
  • 本人や家族の移動交通費

これらは荷造費・運搬費とは別の性質の費用です。ただし、住宅扶助や移送費など、別の制度上の項目で認められる場合があるため、個別に判断されます。

不用品処分費はどうなるのか

引越業者の見積書に不用品処分費が含まれていても、通常は、家財を新居へ運ぶ費用ではありません。

そのため、

引越運搬費 5万円
不用品処分費 2万円

という見積りの場合、原則として運搬費の5万円部分を中心に審査し、処分費2万円は当然には認められません。

ただし、住居明渡しのため処分が不可欠で、本人の障害や病状などから自力処分が困難な場合は、福祉事務所へ事情を説明して個別に相談する必要があります。

支給を受けるための手続き

原則として、引越業者と契約する前に、福祉事務所へ相談します。

一般的には、

  1. 転居の必要性について承認を受ける
  2. 引越業者から見積書を取る
  3. 見積書を福祉事務所へ提出する
  4. 福祉事務所が必要性・金額を審査する
  5. 承認された業者・金額で引越しを行う

という流れです。

複数業者の見積りを求められることがあります。福祉事務所の承認前に契約・支払いをすると、全額が認められない可能性があります。

具体例

被保護者が福祉事務所の承認を受けて転居し、次の費用がかかる場合です。

  • 引越業者の運搬費:55,000円
  • 段ボール等の梱包費:3,000円
  • エアコンの取外し・設置費:20,000円
  • 不用品処分費:15,000円
  • 新しい冷蔵庫の購入費:40,000円

この場合、

  • 運搬費
  • 必要な梱包費
  • エアコンの移設費

は荷造費・運搬費として認められる可能性があります。

一方、

  • 不用品処分費
  • 新しい冷蔵庫の購入費

は、原則として荷造費・運搬費には含まれません。

まとめ

荷造費・運搬費に含まれるのは、主として、

  • 段ボール等の必要な梱包費
  • 引越業者による家財の運搬費
  • 搬出・搬入の作業費
  • 必要な家具の分解・組立費
  • 保有が認められたエアコンの取外し・設置費
  • やむを得ない場合の家財の保管場所への運搬・引取り費

です。

ただし、認められるのは、

福祉事務所が転居前に承認した、必要最小限度の費用

に限られます。新しい家具の購入費や不用品処分費などは、荷造費・運搬費とは原則として別扱いです。

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