(Q3)支援の取組を進める際、保護者や学校との連携についてどのような配慮が必要ですか?(Q4)月に1回以上、学校と情報共有を行うことが求められていますが、その際に確認すべき事項は何ですか?

(A3)結論

不登校の状態にある障害児への支援(個別サポート加算(Ⅲ))を進める際は、事業所だけで支援方針を決めるのではなく、保護者の同意を得たうえで、学校・家庭と継続的に連携することが重要です。

特に、本人や保護者の意向を尊重し、「学校へ戻すことだけ」を目的にしないことにも注意が必要です。

1.まず保護者の同意を得る

学校と児童の状況や支援内容を共有するため、あらかじめ保護者の同意を得る必要があります。

その際は単に署名をもらうだけではなく、

「なぜ学校と情報共有するのか」
「どのような情報を共有するのか」
「どのような支援につなげるのか」

を説明しておくことが大切です。

2.本人・保護者の意向を十分に確認する

不登校には、

  • 学校での人間関係
  • 学習上の困難
  • 障害特性と学校環境とのミスマッチ
  • 不安やストレス
  • 家庭環境

など、さまざまな背景があります。

そのため、事業所側が一方的に「登校できるようにしましょう」と決めるのではなく、本人がどうしたいのか、保護者がどのような支援を希望しているのかを丁寧に確認することが重要です。

3.学校と具体的な情報を共有する

学校とは、例えば、

登校・欠席の状況、学校での様子、事業所での様子、不登校になった背景、本人の得意・苦手、現在行っている支援、今後の支援方針

などを共有します。

個別サポート加算(Ⅲ)では、学校との情報共有を対面またはオンラインで月1回以上行うことが求められています。

さらに、その内容の要点を記録し、その記録を学校にも共有する必要があります。

4.「登校すること」だけを支援目標にしない

ここは特に重要です。

不登校支援では、

「学校へ行けるようになった=成功」
「学校へ行けない=失敗」

という単純な考え方で支援しないことが大切です。

本人の意思を尊重しながら、生活リズム、自己肯定感、コミュニケーション、社会参加、将来の進路など、本人の社会的自立を見据えた支援を行います。

文部科学省も、不登校支援について「登校する」という結果のみを目標とするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す必要があるとしています。

5.家庭への相談援助も継続する

学校だけでなく、家族への相談援助を月1回以上行うことも必要です。

例えば、

「最近、家では朝起きられるようになりました」
「学校の話をすると強い不安があります」

といった家庭での状況を確認し、事業所での様子も保護者へ伝えます。

家庭・学校・事業所で情報がバラバラにならないよう、三者で支援の方向性をそろえていくことがポイントです。

6.本人を置き去りにした情報共有にしない

保護者と学校が連携していても、肝心の児童本人の気持ちが置き去りになってはいけません。

例えば本人が「今は学校の先生と直接会うのが怖い」と感じているのであれば、その気持ちにも配慮しながら、事業所が学校との橋渡しをするなど、本人の状態に応じて段階的に支援することが重要です。

まとめ

分かりやすく言えば、

本人の意向を中心に置き、保護者の同意を得たうえで、家庭・学校・放課後等デイサービスが同じ方向を向いて支援する

ことが基本です。

そして、「とにかく登校させる」ことを目的にするのではなく、本人の安心できる居場所、生活の安定、学びや社会とのつながり、将来の自立まで考えて支援することが、不登校状態にある障害児への支援で特に大切なポイントです。

(A4)結論

個別サポート加算(Ⅲ)では、月1回以上、学校と情報共有する際に、単に「最近どうですか」と連絡するだけではなく、児童の現在の不登校の状態を確認し、この加算による支援を今後も継続する必要があるかを学校と検討することが重要です。こども家庭庁の通知でも、この点が明確に示されています。

具体的には、主に次の事項を確認すると分かりやすいです。

  • 現在の登校状況・欠席状況
    最近どの程度登校できているか、継続的・断続的な欠席が続いているか、登校時間や別室登校などに変化がないかを確認します。
  • 児童本人の状態や気持ちの変化
    不登校状態になった当初と比べて、不安、学校への気持ち、生活状況、対人関係などに変化があるかを確認します。
  • 家庭での状況
    保護者から把握している生活リズムや家庭での様子なども踏まえて、学校と情報を共有します。
  • 事業所での支援状況と児童の変化
    放課後等デイサービスでどのような発達支援を行っているか、その結果、児童にどのような変化が見られているかを共有します。
  • 学校での支援状況
    学校側が現在どのような働きかけや配慮を行っているのかも確認し、事業所の支援との方向性を調整します。
  • 今後も個別サポート加算(Ⅲ)による支援が必要か
    これが特に重要です。現在の欠席状況や本人の心情・状況の変化等を踏まえ、学校と事業所で支援継続の要否を検討します。

「学校だけ」で判断するわけではありません

支援を継続するかどうかについては、学校と事業所だけで機械的に決めるのではなく、

学校+家庭+事業所の三者の共通理解

のもとで判断することが求められています。

例えば、最近少し登校できるようになったからといって、直ちに加算を終了するわけではありません。欠席状況だけでなく、本人の気持ちや状態がどう変化しているか、家庭での様子、引き続き支援が必要かを総合的に考えます。

情報共有した内容は記録する

月1回以上の学校との情報共有については、実施日時と内容の要点を記録する必要があります。

例えば記録には、

「○月○日、担任○○先生とオンライン面談。週5日のうち2日登校できている。本人から『午前中だけなら行けそう』との発言あり。事業所では生活リズムと不安への対処方法について支援中。学校・家庭・事業所で協議し、引き続き個別サポート加算(Ⅲ)による支援が必要と判断した」

というように、登校状況・本人の変化・支援状況・今後の方針が分かる形にしておくとよいでしょう。

要するに、月1回の学校との情報共有で最も重要なのは、

「現在も不登校の状態にあるか」だけでなく、「本人にどのような変化があり、学校・家庭・事業所が今後どのように支援するのか、そして個別サポート加算(Ⅲ)による支援を継続する必要があるのか」を確認すること

です。

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