(Q)ローン付き住宅を保有している者から生活保護の申請があった場合、どのように取り扱うべきですか?

(A)ローン付き住宅を保有している方から生活保護の申請があった場合、基本的には、「住宅ローンがある」という理由だけで申請そのものを拒否することはできません。 厚生労働省も、住宅ローンがあるために生活保護を受給できないわけではないと明示しています。

ただし、重要なのは、生活保護費を住宅ローンの返済に充てることは原則として認められないという点です。厚生労働省の実施要領の問答では、ローン完済前の住宅を保有したまま保護を適用すると、結果的に最低生活のための保護費からローンを返済することになるため、原則としてそのような形で保護を適用すべきではないとされています。

一方で、「持ち家だから必ず売却しなければならない」というわけでもありません。本人が実際に居住している家屋については、処分価値が利用価値に比べて著しく大きくない場合などには、保有を認めることができます。 福祉事務所は住宅の価値、世帯人数、本人の生活状況、売却可能性などを総合的に判断します。

したがって、実務上は主に次のように整理します。

  • 住宅ローンが完済している持ち家
    → 自宅の資産価値等が著しく高額でなければ、持ち家を保有したまま生活保護を受けられる場合があります。
  • 住宅ローンが残っており、保護費から返済を続けるケース
    → 原則として認められません。生活保護費によって住宅という資産を形成する結果になるためです。
  • ローンが残っていても、他の方法でローン処理ができるなど特殊な事情があるケース
    → 個別事情を確認したうえで福祉事務所が判断します。「ローン残高がある=申請却下」と機械的に扱うのではなく、住宅の処分・債務整理などを含めて検討することになります。厚労省の一般向けQ&Aも、「住宅ローンがあるために保護を受給できないことはありません」としています。

例えば、住宅ローンが毎月6万円残っていて、生活保護費から毎月6万円を返済しながら自宅を所有し続けるという形は、原則として認められません。

この場合、福祉事務所では、住宅を売却できるか、売却してもローンが残るか、任意売却等が可能か、住宅を手放した後の住居をどうするかなどを確認しながら対応することになります。

また、資産価値の高い住宅については、ローンの有無とは別に**「資産の活用」**の問題があります。現在居住している家屋は一定の場合に保有可能ですが、処分価値が利用価値に比べて著しく大きい場合には、売却等による活用を求められることがあります。

要するに、

「住宅ローンが残っているから生活保護の申請ができない」のではありません。しかし、生活保護費を使って住宅ローンを返済し、住宅という資産を維持・形成することは原則認められないため、ローン付き住宅をどう処理するかを福祉事務所が個別に検討する必要がある」

というのが基本的な考え方です。

なお、ローン残高より家の売却価格が低い、いわゆる「オーバーローン」の場合は実務上かなり重要な論点になります。この場合、「売却しても借金だけ残る住宅を本当に処分させるのか」という問題があるため、必要であれば次にこのケースを具体的に説明できます。

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記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所