(Q)入院患者に付き添うため、出身世帯の世帯員が自分の住んでいる地域とは異なる地域の病院や療養所で生活する場合、その付添人についても入院患者と同様に最低生活費の認定を行ってよいのでしょうか?

(A)はい、一定の条件を満たす場合には認定して差し支えありません。

厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」の第7「最低生活費の認定」問1で、このケースが具体的に示されています。

わかりやすく言うと

たとえば、生活保護世帯の子どもが、世帯が住んでいる地域とは別の地域にある病院へ入院し、母親がその病院で付き添って生活する必要がある場合を考えると分かりやすいです。

この場合、次の2つの条件を満たせば、付き添っている母親についても、病院所在地で生活している実態に応じた最低生活費の認定ができます。

  1. 入院患者が付き添いを必要とする人であること 通知では「未成熟の子、身体障害者等」が例示されています。つまり、年少の子どもや障害のある方など、一人での入院生活が難しく、実際に付き添いが必要と認められる場合です。
  2. 実際に出身世帯の世帯員が付き添っていること 単にお見舞いに行っているだけではなく、家族が病院・療養所で付き添って生活していることが前提です。

「級地」が違う場合はどうなる?

ここがこの規定の重要なポイントです。

たとえば、

自宅:3級地 → 入院先の病院:1級地

というように、自宅と病院所在地で生活保護の「級地」が異なる場合があります。

付き添いが必要と認められるケースでは、入院患者と付き添いを行う世帯員の基準生活費について、病院・療養所所在地の級地基準を適用して差し支えないとされています。

つまり、

「自宅は3級地だから、付き添い中も必ず3級地で計算する」

という扱いではありません。

実際に付き添いのため生活している病院所在地の級地を使って最低生活費を計算できる、という特例です。

自宅の住宅扶助はどうなる?

さらに、家族が付き添いのため一時的に自宅を離れていても、直ちに自宅の住宅扶助がなくなるわけではありません。

通知では、出身世帯員が入院患者に付き添っている期間について、「入院患者がある場合の住宅費」の取扱いを適用して差し支えないとされています。

また、病院の方針によって、付き添う家族も病院給食を利用しなければならない、あるいは寝具の貸与を受けなければならない事情がある場合には、その実費について特別基準として取り扱える場合もあります。

結論

したがって、ご質問への回答を一言で整理すると、

「はい。ただし、家族が付き添っているだけで自動的に認められるのではなく、入院患者が未成熟の子や身体障害者等で『付き添いが必要』と福祉事務所に認められ、実際に出身世帯の世帯員が付き添っていることが必要です。その場合、入院患者と付添人の基準生活費には、病院所在地の級地基準を適用できます。」

ということになります。

なお、この取扱いは、単なる見舞いや本人・家族の希望による任意の付き添いまで当然に対象にする規定ではない点には注意が必要です。

厚生労働省の原文はこちらです。
生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(厚生労働省)

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