(Q) 医療扶助単給世帯から家屋補修の申請があった場合、収入充当順位に従って本人支払額を変更し、本人の収入によって家屋補修を行うことになるのでしょうか?
(A)結論からいうと、医療扶助単給世帯から家屋補修の申請があった場合でも、原則どおり収入充当順位を組み替えて医療扶助の本人支払額を変更し、その分を本人収入から補修費に回す、という処理をしなくても差し支えありません。
生活保護では通常、収入充当額は、**①生活費 → ②住宅費 → ③教育費 → ④介護費 → ⑤医療費…**という順に充当するのが原則です。
そのため、形式的に考えると、医療扶助だけを受けている世帯に住宅維持費という新たな需要が発生した場合、収入を先に住宅費へ充当し直し、その結果として医療扶助の本人支払額を変更するようにも見えます。
しかし、厚生労働省の生活保護問答集の**問7-123「医療扶助単給世帯に住宅維持費を支給する場合の収入充当順位」**では、この場合について、そうした処理は必要ないと整理されています。
理由は、収入充当順位は通常の経常的な費用についての事務処理上の原則であり、家屋補修のような臨時的需要に係る一時的な扶助についてまで機械的に適用すると、結果は同じなのに本人支払額の変更など事務処理だけが非常に複雑になるためです。
したがって、
医療扶助の本人支払額は変更せず、必要と認められる住宅維持費を別途支給して差し支えない
という取扱いになります。
例えば、ある世帯が普段は医療扶助だけを受給していて、医療費について毎月1万円の本人支払額が設定されていたとします。その後、最低生活を維持するために5万円の家屋補修が必要になった場合でも、
「住宅費の方が医療費より充当順位が先だから、本人支払額をいったん変更して本人の収入から5万円を補修費へ回す」
という複雑な処理をする必要はありません。
従来の医療扶助の本人支払額はそのままとして、要件を満たす5万円の住宅維持費を別途認定・支給することができます。
もちろん、家屋補修そのものについては住宅維持費の要件を満たす必要があります。現行の局長通知では、住宅維持費は、現に居住する家屋の補修その他維持のために必要な経費で、補修の規模が社会通念上最低限度の生活にふさわしい程度である場合に認定するとされています。
したがって、今回の質問を簡潔にまとめると、**「いいえ。医療扶助単給世帯に臨時的な家屋補修の必要が生じた場合、収入充当順位に従って医療扶助の本人支払額を変更する必要はなく、本人支払額はそのままとし、必要な住宅維持費を別途支給して差し支えない」**という取扱いです。
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