(Q)本人が「収入がない」と申し立てているが、何らかの就労に従事していると思われる場合、または年齢や稼働能力等から社会通念上相当の収入があると認められるにもかかわらず、その収入を立証する根拠を容易に得られない場合、どのように取り扱えばよいか?
(A)この質問は、簡単にいうと、**「本人は『収入はありません』と言っているものの、実際には働いている様子があり、収入があると考えるのが自然なのに、給与明細などの証拠が簡単には入手できない場合、福祉事務所はどうやって収入を認定するのか?」**という質問です。
結論としては、本人の申告だけで「収入0円」とするのではなく、まず十分な調査を行います。それでも実際の収入額を確認できず、本人からも合理的な説明・立証が得られない場合には、客観的な資料をもとに収入額を推定して認定することができます。 厚生労働省の実施要領でも、収入認定に当たって、就労状況、稼働能力、生活状況、預貯金などを綿密に調査し、必要に応じて関係先を調査して収入源を直接把握することとされています。
たとえばAさんが「収入はありません」と申告していても、実際には毎日のように特定の店舗で働いていることが確認されているとします。しかし、給与明細がなく、本人も具体的な給与額を説明できない場合です。
この場合、福祉事務所は、勤務日数・勤務時間、仕事内容、雇用主への確認、その地域で同じ仕事をしている人の賃金水準などを調査します。厚生労働省は、本人の申告額が稼働能力、就労状況、地域の同種業務の賃金水準などからみて不自然で、さらに本人や関係先を調査しても疑問を解消する合理的な理由や立証がない場合には、地域の同種の仕事・技能について支払われている賃金等を綿密に調査し、それを基礎に「推定した収入額」で認定して差し支えないとしています。
重要なのは、「30歳で健康だから月20万円くらい稼いでいるはず」のように、根拠なく収入額を決めてよいわけではないということです。「推定」であっても、同種の仕事の賃金水準、実際の勤務状況などの客観的な根拠が必要です。
したがって、流れとしては、本人に収入申告を求める → 給与明細・通帳等を確認する → 必要に応じて勤務先などを調査する → それでも収入額が判明せず、本人から合理的な説明や立証もない → 同種業務の賃金水準などを綿密に調査して、客観的根拠のある収入額を推定する、という考え方になります。
つまり一言でまとめると、**「収入の証拠が取れないから0円とするのでも、ケースワーカーの感覚だけで金額を決めるのでもなく、十分な調査をしたうえで、同種の仕事の賃金水準など客観的な資料に基づいて収入を推定認定することができる」**ということです。
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