(Q1)賃金改善の対象者はどのように設定されていますか?(Q2)処遇改善加算の各事業所内における配分方法はどのようになっていますか?

(A1)はい。これまでのご質問の流れから、**令和6年2月~5月の「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」**における賃金改善の対象者として説明します。

結論として、この交付金は福祉・介護職員の処遇改善を基本としつつ、事業所の判断により、その他の職員の賃金改善にも充てることができる仕組みです。

つまり、「福祉・介護職員だけに必ず均等配分しなければならない」というものではありません。事業所は、職員の職種、仕事内容、賃金水準などを踏まえて、一定のルールのもとで配分を決めることができます。

例えば、直接支援を行う福祉・介護職員を中心にしながら、事業所の判断により、制度上認められる範囲で看護職員、リハビリ職、事務職員など、その他の職員にも賃金改善を配分することが考えられます。

また、対象者全員に同じ金額を配る必要もありません。 例えば、常勤・非常勤、勤務時間、職責、経験、現在の賃金水準などを考慮して配分額に差を設けることも可能です。

ただし、事業所が自由に配分できるといっても、恣意的な配分は避ける必要があります。例えば、

「福祉・介護職員は月6,000円、短時間勤務者は勤務時間に応じて按分する」

など、誰が見ても説明できる合理的な配分ルールを決めておくことが重要です。

また、交付金を事業主の利益や通常の運営費に回すことはできず、交付金額以上の賃金改善を実施することが必要です。

したがって、簡単にまとめると、

「福祉・介護職員を基本的な対象としながら、事業所の判断でその他の職員にも配分できる。全員一律の金額である必要はないが、職種・勤務時間・職責・賃金水準などを踏まえた合理的な配分ルールを設け、実際に職員の賃金改善に充てる必要がある」

と理解すると分かりやすいです。

なお、**「その他の職員にどこまで配分できるのか」「法人役員を兼務する職員は対象になるのか」「非常勤・パート・管理者・児発管は対象になるのか」**については、職種ごとに取扱いを分けて確認する必要があります。

(A2)はい。現在の「福祉・介護職員等処遇改善加算」についていうと、事業所内での配分は、基本的に事業者が職員の職務内容・勤務状況・賃金水準などを踏まえて決める仕組みです。

重要なのは、「加算額を職員全員に同じ金額で均等配分しなければならない」という制度ではないという点です。常勤・非常勤、職責、経験、勤務時間などに応じて、配分額に差を設けることができます。

また、現在の制度では、福祉・介護職員だけでなく、事業所で働く他の職種についても、事業所の判断で処遇改善の対象とすることができます。 ただし、制度の趣旨を踏まえ、実際の職員の賃金改善に充てる必要があります。

例えば、事業所が次のようなルールを設定することが考えられます。

常勤の直接支援職員 → 月10,000円
非常勤職員 → 勤務時間に応じて按分
リーダー等 → 職責を考慮して上乗せ
その他の職員 → 業務内容・賃金水準等を考慮して配分

このように、合理的な基準があれば全員同額でなくても構いません。

さらに、賃金改善の方法についても、基本給の引上げ、毎月支払う処遇改善手当、賞与・一時金などを組み合わせることができます。ただし、取得する加算区分によっては、基本給または毎月決まって支払われる手当による改善(いわゆる月額賃金改善)について要件が設定されているため、すべてを賞与や一時金だけで配分できるとは限りません。

もう一つ重要なのが、事業所単位だけでなく法人全体で配分調整できる場合があることです。複数の障害福祉サービス事業所等を運営している法人では、制度上認められる範囲で、事業所間の配分を調整することができます。

したがって、簡単にまとめると、

「処遇改善加算は、職員全員への均等配分が義務ではなく、事業者が職種・勤務時間・経験・職責・賃金水準などを考慮して合理的な配分方法を決めることができる。ただし、加算の要件を守り、実際の賃金改善に充て、配分方法を職員に説明できるようにしておく必要がある」

という仕組みです。

特に運営指導等に備える場合は、「誰に・なぜ・いくら配分したのか」について、給与規程、処遇改善計画書、賃金台帳などで説明できる状態にしておくことが重要です。

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