(Q) 施行規則第22条第2項の規定による相続財産清算人の選任の請求は、保護の実施機関が民法第952条第1項にいう利害関係人として行うことができますか?
(A)はい。結論は「その理解でよい」です。 厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第13・問1でも、まさに同じ質問に対して**「お見込みのとおりである」**と回答されています。
簡単に言い換えると、
「生活保護受給者が亡くなり、遺留金品を葬祭費などに充てても財産が残った場合、福祉事務所自身が『利害関係人』として家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらう申立てをしてよいのでしょうか?」
という質問です。
どのような場面で問題になるのか
生活保護法施行規則第22条第2項では、保護の実施機関が生活保護法第76条による遺留金品の処理を行い、保護費等に充当してもなお財産が残った場合について定めています。
この場合、実施機関は残った財産を保管し、原則として速やかに家庭裁判所へ相続財産清算人の選任を請求し、選任された清算人へ残余財産を引き渡すことになっています。
そこで問題になるのが、民法第952条第1項では、相続財産清算人の選任を家庭裁判所に請求できる者として「利害関係人」などを規定していることです。
「福祉事務所は相続人でも債権者でもないのに、利害関係人として申立てできるのか?」
という疑問が生じます。
これについて厚生労働省は、保護の実施機関が民法第952条第1項の「利害関係人」として選任請求を行ってよいと明確にしています。
具体例
例えば、生活保護受給者Aさんが死亡し、福祉事務所が遺留金品を確認したところ50万円あったとします。
葬祭扶助等に充当した後も20万円が残ったとします。
この20万円は、福祉事務所が自由に取得できるお金ではありません。
原則的な流れは、
Aさん死亡 → 遺留金品を確認 → 法第76条に基づく処理 → 残余財産が発生 → 実施機関が家庭裁判所へ相続財産清算人の選任を請求 → 選任された清算人へ残余財産を引き渡す
となります。
なお、現在の施行規則第22条第2項には例外もあり、相続財産清算人の選任によることが難しい場合には、民法第494条に基づいて残余の遺留金品を供託できるとされています。厚生労働省は、相続人の存在が判明している場合、必要資料を整えることが困難な場合、残余財産が少額で清算人を選任する実益が乏しい場合などを例示しています。
したがって、この質問は、**「生活保護受給者の死亡後、遺留金品を処理しても財産が残り、相続財産清算人の選任が必要になった場合、保護の実施機関は民法第952条第1項の『利害関係人』として家庭裁判所に選任を請求することができる」**と理解すれば大丈夫です。
厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」
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