(Q1)法人本部の人事や事業部等で働く者など、障害福祉サービス事業者のうち障害福祉サービス等に従事していない職員は、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることは可能ですか(Q2)処遇改善加算を算定していない障害福祉サービスの事業所等の職員は、賃金改善の対象となりますか?

(A1)はい。この質問は、同じ職員が「障害福祉サービス」と「介護保険サービス」の両方で働いている場合、その職員の給与をどちらの処遇改善制度に計上するのかという問題です。

基本的な考え方は、それぞれのサービスに従事した割合に応じて、賃金額を合理的に分けて計算することです。同じ給与を障害福祉側と介護側の両方に全額計上する、いわゆる二重計上は避けます。

例えば、ある職員の月額賃金が30万円で、

障害福祉サービスに60%従事
介護サービスに40%従事

しているのであれば、合理的に按分して、

障害福祉分:30万円 × 60% = 18万円
介護分:30万円 × 40% = 12万円

というように整理することが考えられます。

按分方法については、実際の勤務時間、勤務日数、勤務実績、雇用契約上の勤務割合など、客観的・合理的に説明できる基準を使用することが重要です。

また、「福祉・介護職員」と「その他の職員」の区分についても、それぞれの制度上の職種・業務内容を確認します。同じ職員が複数の職務を兼務している場合には、実際にどの業務にどの程度従事しているかを踏まえて整理することになります。

例えば、月160時間勤務する職員が、

障害福祉:96時間
介護保険:64時間

であれば、

96時間 ÷ 160時間 = 60%
64時間 ÷ 160時間 = 40%

として給与を按分する方法が分かりやすいでしょう。

ただし、必ずこの方法でなければならないという意味ではなく、法人・事業所の勤務実態を適切に反映し、説明できる合理的な方法を継続して使用することがポイントです。

したがって、簡潔にまとめると、**「障害福祉サービスと介護サービスを兼務する職員については、勤務時間等の合理的な基準を用いて賃金総額を按分し、それぞれの制度に計上する。同一の賃金を両制度に重複して全額計上しないよう注意する」**と理解すると分かりやすいです。

実務上は、勤務表・シフト表・雇用契約書・賃金台帳・按分計算表などを残して、「なぜ60%・40%としたのか」を後から説明できるようにしておくことが重要です。

(A2)はい。この質問は、**「処遇改善加算を取っている事業所で受け取った加算額を、加算を算定していない別の障害福祉サービス事業所の職員にも配分できるのか」**という意味です。

結論としては、一定の条件のもとで、法人内の事業所間で賃金改善額を配分することは可能ですが、どの事業所・職員にでも自由に配分できるわけではありません。

現在の福祉・介護職員等処遇改善加算では、法人が複数の障害福祉サービス事業所等を運営している場合、法人全体で処遇改善を行うため、事業所間で賃金改善額を配分することが認められています。 そのため、個々の事業所で「受け取った加算額=その事業所の職員だけに配る金額」と必ずしも一致させる必要はありません。

ただし重要なのは、処遇改善加算の対象となる障害福祉サービス等の範囲内で行うことです。

例えば、同じ法人が、

A事業所:処遇改善加算を算定
B事業所:処遇改善加算を算定
C事業所:加算を算定していない

という状況であっても、法人全体で一括して計画書・実績報告書を作成する場合など、制度上認められる範囲で事業所間の配分を調整できるケースがあります。

一方、そもそも処遇改善加算の対象外となっているサービスや、制度上の対象範囲から外れる事業・職員に、障害福祉サービスの処遇改善加算を自由に流用できるという意味ではありません。

また、加算を取得している事業所については、法人全体として、

「受け取った加算額」≦「実際に行った賃金改善額」

となることを確認し、処遇改善計画書・実績報告書によって説明できるようにする必要があります。

したがって、簡単にまとめると、**「処遇改善加算を算定していない事業所の職員だから、必ず賃金改善の対象外になるわけではない。同一法人内で一括して処遇改善を行う場合には、制度上認められる範囲で事業所間の配分調整が可能。ただし、加算の対象外サービス等へ自由に流用できるわけではない」**と理解すると分かりやすいです。

特にこの点は、「加算を算定していない事業所」と「そもそも加算の対象外であるサービス」では扱いが異なるので、分けて考えることが重要です。

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