(Q)保護開始時の収入認定において、必要経費の要否を判定する際、どのような経費を必要経費として認定すべきか。

(A)はい。この質問は、生活保護の申請をして保護を開始する際、給与や事業収入などから、どのような費用を「必要経費」として差し引くことができるのかという質問です。

① 結論

保護開始時の収入認定では、収入を得るために実際に必要となる経費について、必要性や金額を確認したうえで、必要経費として認定します。

ただし、本人が支払っている費用であれば、何でも必要経費になるわけではありません。

重要なのは、その費用が収入を得るために必要なものかどうかです。

② 必要経費として認められるもの

例えば、次のような費用が考えられます。

経費の種類具体例取扱い
① 通勤交通費電車代・バス代など通勤に必要な範囲で認定
② 社会保険料健康保険料・厚生年金保険料など給与から控除されるものなどを確認
③ 税金所得税・住民税など実際の納付義務や控除状況を確認
④ 事業の仕入費商品や材料の購入費事業収入を得るために必要な範囲で認定
⑤ 事業用の経費店舗の賃借料、必要な光熱費など事業に必要な部分を認定
⑥ 農業の経費種苗代・肥料代・農機具の燃料代など農業収入を得るために必要な範囲で認定

なお、給与収入については、必要経費とは別に、勤労収入に対する基礎控除などの取扱いもあります。

③ 具体例

生活保護を申請したAさんが、パート勤務で月10万円の給与を得ているとします。

給与に関する費用が次のとおりだったとします。

項目金額
給与収入100,000円
社会保険料12,000円
所得税2,000円
通勤交通費6,000円
必要経費の合計20,000円

この場合、これらの費用が制度上の必要経費として認められるものであれば、まず収入から差し引きます。

100,000円-20,000円=80,000円

さらに、勤労収入については、所定の基礎控除などを適用して収入認定額を算定します。

※これは計算の仕組みを示した例です。実際には、通勤手当の支給状況や控除の計算方法などを確認する必要があります。

④ 保護開始時に注意すること

特に重要なのは、保護開始前に発生した費用と、保護開始後も継続して必要になる費用を区別することです。

例えば、保護開始前に発生した事業上の借入金の返済などについては、収入を得るための必要経費として当然に認められるわけではありません。

また、保護開始時には、今後の収入見込みと必要経費を確認し、実際の収入が判明した段階で必要に応じて収入認定額を調整します。

⑤ 必要経費として認められないもの

例えば、次のような費用は、原則として必要経費には該当しません。

  • 通常の食費や日用品費
  • 個人的な娯楽費
  • 生活費のために借りたお金の返済
  • 収入を得ることと直接関係のない支出

これらは、収入を得るための経費ではなく、通常の生活費などに該当するためです。

⑥ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

生活保護開始時の収入認定において必要経費として認められるのは、給与や事業収入などを得るために必要であり、制度上認定が認められる費用です。

具体的には、通勤交通費、社会保険料、税金、事業の仕入費、農業経営に必要な経費などが考えられます。

最も重要なのは、収入から差し引く費用について、その必要性と金額を確認し、生活費や借金の返済などと区別して判断することです。

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