(Q)賃金改善の方法について、労使間で事前に協議する必要はありますか。

(A)賃金改善の方法について、労使間で事前に協議することが望ましいですが、必ずしも労使間の合意を得ることが加算算定の要件となっているわけではありません。

ただし、福祉・介護職員等処遇改善加算を算定する事業所は、賃金改善の内容について職員に周知する必要があります。

① 労使間の協議とは?

労使間の協議とは、事業所の経営者(使用者)と職員(労働者)が、給与や手当の改善方法について話し合うことです。

例えば、次のような内容について協議します。

  • 処遇改善加算を基本給の引上げに充てるのか。
  • 毎月の手当として支給するのか。
  • 賞与や一時金として支給するのか。
  • どの職員を賃金改善の対象とするのか。
  • 職員ごとの賃金改善額をどのように決めるのか。

② 労使間の合意は必要ですか?

処遇改善加算の制度上、賃金改善方法について労使間の合意を得ることが一律に義務付けられているわけではありません。

そのため、事業所が賃金改善の方法を決定することは可能です。

ただし、次の点に注意が必要です。

  1. 賃金改善の内容について職員に周知すること。
  2. 処遇改善加算の算定要件を満たすこと。
  3. 就業規則や賃金規程に従って適切に支給すること。
  4. 労働条件を不利益に変更する場合には、労働契約法などの規定を守ること。

特に、既存の給与を引き下げるなどの不利益変更については、加算制度とは別に労働法上の問題が生じる可能性があります。

③ 具体例

例えば、障害福祉サービス事業所が処遇改善加算として毎月30万円を受け取る場合です。

事業所が次のような賃金改善方法を検討したとします。

  • 職員10人に毎月2万円ずつ手当を支給する。
  • 残り10万円を基本給の引上げに充てる。

この場合、職員全員から個別に同意を得なければ賃金改善を実施できない、というわけではありません。

ただし、実際の配分については、対象職員の範囲や加算の算定要件を満たしている必要があります。

また、職員に対して、賃金改善の方法や内容を説明し、周知することが必要です。

④ まとめ

項目取扱い
労使間での事前協議望ましいが、一律の義務ではない
労使間の合意加算算定上、原則として必須ではない
賃金改善方法の決定事業所が決定できる
職員への周知必要
就業規則・賃金規程の遵守必要
労働条件の不利益変更労働関係法令に従った対応が必要

【結論】

賃金改善の方法について、労使間で事前に協議し、合意を得ることは、処遇改善加算の算定上、必ずしも必要ではありません。

しかし、職員とのトラブルを防ぎ、公平で適切な賃金改善を行うためにも、事前に説明や協議を行うことが望ましいとされています。

なお、これは福祉・介護職員等処遇改善加算の一般的な説明です。令和6年度と令和8年度では適用される通知や要件が異なる可能性があるため、具体的な年度の取扱いは該当する通知で確認する必要があります。

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