(Q)母の遺産相続で、兄から「相続分を放棄したという証明書」に署名・押印し、印鑑証明書をつけて返送してほしいと言われました。この書類は何を意味するのか、また返送した場合どうなるのかを知りたい、という内容です。

(A)① その書類は何を意味するのか?

兄が送ってきた「相続分を放棄したという証明書」とは、
遺産分割協議において“あなたは遺産を一切受け取りません”と宣言するための書面です。

ポイントは以下のとおりです:

  • これは 家庭裁判所で行う「相続放棄」ではありません
    → 法的に相続人でなくなるものではなく、「遺産分割であなたが遺産を受け取らない」ことを示すだけです。
  • 兄がその書類を求める理由は、
    遺産分割を兄の単独相続で進めたいためと考えられます。
  • 印鑑証明書の添付を求められているのは、
    あなたの意思による署名押印であることを証明するためです。
    (不動産の名義変更や銀行手続きで実印・印鑑証明が必要になるため)

② 返送した場合どうなるのか?

あなたが署名・押印して印鑑証明書を返送すると、

● 実質的に「兄が遺産を全て取得する」ことに同意したことになります。

  • 不動産も銀行預金も、兄が単独で相続できるようになります。
  • あとから「やっぱり取り戻したい」とは、基本的にできません。

● あなたが受け取れるはずの相続分(法定相続分)も受け取れません。

  • 例えば法定相続分が 2分の1 なら、本来はその分を主張できますが
    → 書面にサインすると 権利を放棄した扱いになります。

● 兄自身が遺産を自由に処分できるようになります。

  • 不動産売却なども単独で可能になります。

③ 注意すべきポイント

  • この書類は、兄に「遺産を全部あげる」という意味になります。
  • 財産内容が明らかでない状態で署名するのは非常に危険です。
  • 遺産が預金だけでなく不動産・保険金・株式など他にもある可能性があります。
  • 特に不動産を含む場合、後でトラブルになるケースが多いです。

④ 返送する前に絶対に確認すべきこと

  1. 遺産の内容をすべて教えてほしいと兄に求める
     → 預貯金、不動産、保険金、借金の有無など
  2. 必要であれば銀行や法務局で
     自分でも調査できる
  3. 遺産分割を急かされた場合は
     **「内容を確認してから返答します」**と伝えればOK

⑤ まとめ(重要)

不安があれば専門家に相談を

「相続分を放棄したという証明書」は 遺産をもらわないと約束する書類

家庭裁判所の相続放棄とは違う

返送すると 兄が全て相続し、あなたは何も受け取れない

遺産内容の確認が必須