(Q1)入院後3か月を経過した後に保護申請があった場合、実施責任はどの市が負うことになりますか。(Q2)他法または自費によって入院し、入院後3か月以内に入院を原因として居住地を失った場合でも、入院後半年経過して要保護状態となり保護の申請があったとき、実施責任はどの市が負うことになりますか。
(A1)生活保護では、入院した人が長期間病院にいる場合、どこの福祉事務所が保護を行うのか(実施責任)が問題になります。
結論
入院後3か月を経過してから生活保護の申請をした場合は、原則として「病院所在地の福祉事務所」が実施責任を負います。
わかりやすい例
- A市に住んでいた人が病気で入院
- B市にある病院へ入院
- 入院から3か月以上経過
- その後、生活保護を申請
この場合は、B市(病院のある市)の福祉事務所が生活保護を実施することになります。
なぜか
生活保護法では、保護の実施責任は原則として「現在の居住地」にあります。
しかし、入院患者については特別な取扱いがあり、
- 入院後3か月以内の申請 → 入院前の居住地の福祉事務所
- 入院後3か月を超えてからの申請 → 病院所在地の福祉事務所
というルールが設けられています。
根拠
生活保護法第19条(実施責任)及び厚生労働省の実施責任に関する通知による取扱いです。
一言でいうと
「入院して3か月以内なら元の住所地、3か月を超えたら病院の所在地」が原則です。
行政書士試験や実務では、
「入院3か月ルール」
として覚えておくとわかりやすいです。
(A2)入院前に住んでいた市町村(居住地のあった市)が生活保護の実施責任を負います。
わかりやすい事例
事例
- A市に住んでいた人が病気で入院
- 入院費は健康保険や自費で支払っていた(生活保護ではない)
- 入院中にアパートを解約し、住む場所がなくなった
- 入院から6か月後にお金がなくなり生活保護を申請した
この場合、
「現在はA市に住んでいないし、病院はB市にあるからB市が担当では?」
と思われるかもしれませんが、そうではありません。
なぜか
生活保護法では、
入院後3か月以内に、その入院が原因で居住地を失った場合は、入院前の居住地が引き続き基準となる
という取扱いになっています。
そのため、入院後に半年経過してから生活保護が必要になったとしても、
- 入院前の居住地:A市
- 病院所在地:B市
であれば、
A市の福祉事務所が保護を実施することになります。
ポイント
✅ 入院時点では生活保護を受けていなくてもよい
✅ 入院後3か月以内に住居を失ったことが重要
✅ 保護申請が入院から半年後、1年後であっても実施責任は原則として入院前の居住地の福祉事務所
一言でまとめると
「入院が原因で入院後3か月以内に住居を失った場合は、その後いつ生活保護申請をしても、原則として入院前に住んでいた市町村が実施責任を負う」と考えるとわかりやすいです。
この取扱いは、生活保護法第19条の居住地保護の考え方と、厚生労働省の実施責任に関する通知に基づくものです。
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