(Q1)「重度の心身障害者,歩行困難な高齢者等」の『等』とは、具体的にどのような人を指しますか?(例:火傷などのため全身に皮膚の炎症があり、それが半永久的に治癒しない等の理由で公衆浴場を利用できない人などが想定されます。)(Q2)入浴設備の敷設や修理が必要となるのは、どのような場合ですか?(例:重度の心身障害者や歩行困難な高齢者等が自宅で安全に入浴できるようにするため、入浴設備の新設や修理が必要となる場合があります。)
(A1)「重度の心身障害者、歩行困難な高齢者等」の**「等」**には、重度障害や高齢による歩行困難そのものではなくても、身体状況などのため公衆浴場を利用することが実際上困難で、自宅で入浴する必要性が高い人が含まれます。
厚生労働省の生活保護問答集では、具体例として、火傷などのため全身に皮膚の炎症があり、その状態が半永久的に治癒せず、公衆浴場を利用できない人などが想定されています。
つまり、「等」は病名や障害等級で機械的に決めるものではありません。ポイントは、その人の身体・健康状態から、公衆浴場など外部の入浴施設を利用することが困難であり、自宅で入浴することが真に必要かどうかです。
例えば、次のようなケースが考えられます。重度の皮膚疾患・火傷等で公衆浴場の利用が困難な人、感染や皮膚への刺激などの医学的事情から共同浴場の利用が適さない人、身体状況により公衆浴場への移動や浴槽の利用が著しく困難な人などです。ただし、実際に該当するかは個々の状態を確認して判断します。
なお、生活保護の取扱いでは、重度の心身障害者、歩行困難な高齢者等について、自宅で入浴することが真に必要と認められる場合には、入浴設備の設置費用を住宅維持費として認定できるとされています。さらに、それ以外の人でも「他に適当な入浴方法がない」と認められる場合には対象になり得ます。
したがって、簡単にまとめると、「等」とは、火傷や重度の皮膚疾患など、障害や高齢以外の事情でも、公衆浴場を利用することが困難で、自宅での入浴が真に必要な状態にある人を含む、という意味です。「障害者手帳があるか」「何歳以上か」だけで決めるものではなく、実際の身体状況と入浴の必要性を個別に判断します。
(A2)はい。生活保護では、一定の場合に、風呂桶などの入浴設備の修理や、新たな入浴設備の敷設(設置)に必要な費用を「住宅維持費」として認定することができます。 厚生労働省の現行の取扱いでも、この点が明確に示されています。
具体的には、主に次のような場合です。
- 風呂桶など既存の入浴設備が壊れた場合
近隣に利用できる公衆浴場がない場合には、住宅維持費(補修費)の範囲内で修理を認めて差し支えないとされています。 - 重度の心身障害者や歩行困難な高齢者などが、自宅で入浴することが真に必要な場合
障害や身体機能の低下などによって、公衆浴場まで移動したり、公衆浴場を安全に利用したりすることが難しく、自宅で入浴する必要性が高い場合です。この場合には、既存設備の修理だけでなく、入浴設備を新たに敷設する費用も住宅維持費の対象にできます。 - 上記以外の人でも、他に適当な入浴方法がない場合
重度障害者や高齢者に限定されません。本人の事情や地域の状況から、公衆浴場、デイサービス等の入浴、その他の方法を利用できず、他に適切な入浴手段がないと認められる場合にも、入浴設備の敷設費用を認定できます。
例えば、歩行が非常に困難な高齢者が一人暮らしをしていて、近隣の銭湯まで行くことができず、現在の自宅にも風呂がない場合には、自宅での入浴が真に必要と認められれば、必要最小限度の入浴設備を設置する費用を住宅維持費として認定できる可能性があります。
また、前のご質問にあったように、重度障害や歩行困難だけが対象ではありません。たとえば、重い皮膚疾患や火傷の後遺症などのため公衆浴場の利用が現実的に困難で、他の入浴方法も確保できない人についても、個別事情を確認したうえで対象となる可能性があります。
ただし、希望すれば自由に浴室を新設・改装できるという制度ではありません。福祉事務所は、①自宅で入浴する必要性、②公衆浴場等の代替手段の有無、③必要となる工事内容・費用、④最低生活の維持に必要な範囲かなどを確認して判断します。
したがって、簡単にまとめると、**「近隣に公衆浴場がなく既存の風呂を修理する必要がある場合や、重度障害・歩行困難その他の事情から自宅での入浴が真に必要で、他に適当な入浴方法がない場合には、必要最小限度の入浴設備の修理・敷設費用を住宅維持費として認定できる」**という取扱いです。
⇓