(Q)A市内に確実な帰来引受先がある場合、生活保護の実施機関はどこになりますか?
例:申請者にA市内で帰来引受先がある場合、A市の実施機関が生活保護を担当することになるのでしょうか?

(A)結論からいうと、「A市内に確実な帰来引受先がある」というだけでは、直ちにA市の福祉事務所が生活保護を担当するとは限りません。

生活保護は原則として、「現在その人が居住している場所(居住地)」又は「現在いる場所(現在地)」を管轄する実施機関が担当します。

例えば、

  • 現在B市に住んでいる
  • A市に親族がおり、受け入れてくれることが確実
  • 将来的にA市へ転居する予定

という場合でも、実際にA市へ移っていなければ、原則としてB市の福祉事務所が申請を受理し、保護の要否を判断します。

ただし、

  • A市への転居が具体的に決まっている
  • 帰来引受先での居住が確実である
  • 速やかにA市へ移転する見込みがある

といった事情がある場合には、B市とA市の福祉事務所が協議し、A市で保護を開始する取扱いが行われることがあります。

実務上の考え方

ケース1

現在B市に住んでおり、A市の親族宅へ転居予定

→ 原則はB市が申請窓口です。

ケース2

既にA市の親族宅へ移り住んでいる

→ A市が実施機関になります。

ケース3

病院や施設に一時的にいるが、退院後はA市の親族宅で生活することが確実

→ 個別事情によりA市が実施責任を負うことがあります。

行政書士としての説明例

「帰来引受先がA市にあるだけでは、当然にA市が生活保護を担当するわけではありません。原則は申請時点の居住地または現在地を管轄する福祉事務所が担当します。ただし、A市への転居が確実で具体的に予定されている場合は、両自治体間で調整が行われ、A市で保護開始となる場合があります。」

生活保護法上は、実施機関の基本ルールとして**生活保護法第19条(実施機関)**が根拠になります。なお、「帰来引受先」が問題となるのは、ホームレス状態の方や施設退所者、長期入院患者の保護開始時によく見られる論点です。

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