(Q)住所不定の単身者が複数の市を移動中に急病で入院した場合、どの市の福祉事務所が保護の実施責任を負うのですか?例:A市の病院を退院後、B市に向かう途中でC市に下車し、C市で急病となりD市の病院に入院した場合。
(A)このケースでは、生活保護の実施責任は原則として**「保護の申請時点でその人が現に所在している場所を管轄する福祉事務所」**が負います。
ご質問の事例を整理すると、
- A市の病院を退院
- B市へ向かって移動中
- C市で下車
- C市で急病になる
- D市の病院へ救急搬送され入院
という流れです。
この場合、申請時に本人がD市の病院へ入院しているのであれば、原則としてD市を管轄する福祉事務所が保護の実施責任を負うことになります。
なぜD市なのか
生活保護法では、住所地がない人(住所不定者)については、実際にその人がいる場所(現在地)を基準に保護を実施する考え方が採られています。
そのため、
- A市にいたこと
- B市へ向かっていたこと
- C市で発病したこと
よりも、
「現在どこにいるのか」
が重視されます。
入院している場所がD市であれば、D市の福祉事務所がまず保護申請を受理し、保護の要否を判断することになります。
例外
ただし、
- D市に親族や住宅があるわけではない
- 退院後に居住予定地が別に決まっている
- 他市に明らかな居住実態が認められる
などの場合には、保護開始後に他の自治体へ実施責任が移されることがあります。
しかし、緊急入院中の段階では、
「まずD市福祉事務所が対応する」
というのが実務上の原則です。
行政書士試験・実務での覚え方
住所不定者の場合は、
「今いる場所の福祉事務所がまず責任を負う」
と覚えておくと分かりやすいです。
根拠としては、生活保護法第19条(実施責任)および厚生労働省の生活保護手帳・実施要領における「現在地保護」の考え方によります。
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